Kindle Paperwhite買う前によく浮かびそうな疑問に答えておこう

初っ端から自炊ユーザー向け特化で記事書いた後に『あれ,そもそも世の中はまだその段階ではないのでは?』と思い至りました.周りが当たり前のようにKindle4持ってて感覚おかしくなってましたね(笑)

そんなわけで,初めてKindleに触れる人・買うか悩んでる人向けに記事起こしておきます.知り合いからもいろいろと聞かれそうですしね.

現状の自分は,iPadとKindle4,SONY Readerで本を消化する生活を丸1年やってます.Paperwhiteは輸入しませんでしたけど,表示部分以外そんなに変わっていないと思いますので,その辺を踏まえた上でお読みください.

 

そもそもKindleの何が他の電子書籍端末と違うの?

端末の出来そのものも良いですし,圧倒的シェアで蔵書数が増えそうってのもありますが,何よりも書籍データ販売がAMAZON提供ということが一番だと考えます.既存のAMAZONのシステム上で紙と同じようにデータが売られて,AMAZONアカウントに集約される便利さってのは,国内の電子書籍ストアが太刀打ちできる物ではありません.紙とKindle版とが存在するなら,初回版と通常版などを切り替えるように,内部タブでシームレスに切り替わったりするわけです.

佐藤貴明

Amazon.comでの例を挙げると,自分のKindleやその他タブレット端末にIDが紐付けられてるので,いつものAMAZON感覚で1-Click押すと,登録してるデバイス側にすぐに本が降ってきます.アカウント作らせて,クレカ登録させて,ゴミのように使いにくいストア漁って,毎回パスワード打たせて,ダウンロードボタン押して……なんてやってる他社のストアがアホくさいレベルの便利さです.そのせいで,間違ってクリックしてもキャンセルが間に合わないという新たな問題が出てますが(笑)

こんな感じで,持ち前のクラウド技術を駆使して「もうローカルストレージじゃなく無料の3Gネットワーク使って最高の読書体験させてやんよ」スタンスなんですよ.Kindle端末も,あくまで読書体験の一部として捉えてるのがKindleなわけです.

 

Kindle PapwerwhiteとKindle Fireどっち買えばいいの?

電子書籍に触れたいって人はPaperwhiteの方がいいと思いますが,後述するように小説特化な部分があるので,そうじゃない方はFireでしょう.しかし,Fire買うぐらいならもう5000円積んでNexus7買ってKindleアプリ使った方が汎用性高くていいと思いますけどね.囲い込みでAndroid標準ストアと言うべきGoogle Playに繋がらないのはさすがに辛いかと…….

 

3GモデルとWi-Fiモデルどっち買えばいいの?

基本的にネットワークに繋がっている前提でしおりの同期などをするシステムなので,予算が許す限り3Gモデルをオススメします.4000円差も通信費1年分と思えばたいした額ではないでしょう.ただし,ネットワークが無ければ使い物にならないって訳ではないので,自分はポケットWi-Fiで運用すればいいやとWi-Fiモデル買いました.

 

E-Inkのメリットデメリット

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E-Inkは本当に表面に印刷してあると見まごうほど読みやすい表示デバイスではありますが,細かい階調表現は苦手です.また,6インチながら解像度も低いのですが,液晶のようにきっちりとドットピッチが揃っているわけではないため解像度の低さは感じない反面,細かい部分はより潰れる傾向にあります.

そこで,体感で紙の本を読む場合を100点としたときの,Kindleの体感点数を付けると

小説・新書 120点
文字は極めて読みやすい上,片手で保持とページめくりできるのに慣れた結果,今では紙で小説読むのが辛く感じるようになりました.
マンガ 70点
読み進めている間に慣れますが,やはり細かい書き込みの潰れやトーンのモアレが気になります.見開き表示出来ない部分を考慮するとさらに-5点か.
技術書 50点
1画面の情報量が少ない上,数式やプログラムのソースなどの特殊表現は苦手です.例えば,文字サイズ変えると行送りが変わってインデントがぐちゃぐちゃになるって言えばわかるでしょうか? (追記:epub系だと端末側で装飾&配置がされるので,iPad3の高解像度&フルカラーでもこんな感じになるわけです.E-Inkというよりはフォーマットの問題です.)
論文PDF 10点
2段組の論文読むためとか思ってると死ねます.解像度が足りず,拡大縮小もままならず,PDFの圧縮が足りないとロードも遅くて,読み終わる前に精神病みます.論文のためならiPad Retina買いましょう.

 

E-Inkの書き換え速度って気になるの?

E-Inkの問題として書き換え速度の遅さと,書き換え時の白黒反転があります.

まず前者ですが,これに関しては単に読み進めるだけなら気になりません.どっちかというと,タッチパネルの感度や本体の処理能力の方がボトルネックになってるからです.しかし,パラパラと一気に複数ページ送る時や,ストアをブラウジングしている時は書き換え速度の遅さにイライラします.他の端末観てると,その辺はデバイス制御の問題も大きそうなので,今後に期待ですね.

そして,後者ですが,これはすぐに慣れて,全く気になりませんね.
紙でページめくる時にページめくるのが目に入るのを気にするか?って感じです.テキストデータだと数ページに1回しか反転起こりませんし,そこがネックになる人はよほど神経質なんでしょう.ただ,マンガの場合は書き換え量が多くて気になります.

あと,自炊ファイルの場合ですか.
JPEGベースのPDFなどだと,読んでる時は見えない圧縮時のモスキートノイズが,反転時に強調されてチラチラします.うーむ,こんなのが気になるのは自分も神経質なんでしょうか?

 

バッテリー関係について

Paperwhiteは8週間保つ!という公称部分はともかく,フル活用で活字中毒の自分でも,2週間ぐらいは平気で保ちます.むしろ,充電しないのが当たり前すぎて,逆にバッテリー切れに出くわしている気が.(笑)

そして,ここはあまり言われないメリットなんですが,元々の消費電力がめちゃくちゃ小さいので,仮に電池が切れたとしても,10分程度USBに挿しておくだけでその日のうちは普通に読めちゃいます.液晶タブレット機などでは無理矢理電池容量増やして駆動時間伸ばしているだけなのでちょっと充電してパッと使うって用途は無理ですよね.寝起きに,スマホの充電ケーブル抜けてるのに気付いて悲しみ背負った記憶はみなさんあるでしょう?(笑) そんなわけで,読書メインの人にはバッテリーの束縛から解放されて,紙とさほど変わらず運用出来るのは大きなメリットだと思います.

 

結論

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Kindle Paperwhiteは小説読むための特化ツールなので,直近1年で30冊以上小説・新書読んでない人は,8450円で紙の本を10冊買った方がいいですね.逆に,湯水のように小説読む人は,その便利さにむせび泣くでしょう.

 

追記

Kindleストアにて電子書籍の自炊についての本を書きました.端末側についてもまとめてますので,よろしかったらお読みください.