- Kindleでの個人出版で出会った罠一覧
- Kindleで本を出した時のおはなし【執筆編】
- Kindleで本を出した時のおはなし【修正編】
- Kindleで本を出した時のおはなし【画像と権利編】
- Kindleで本を出した時のおはなし【表紙編】
- Kindleで本を出した時のお話【販売編】
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『自炊ノ全テ』という本をKindleにて出したのですが,きっかけは「Kindleでの出版に対する人柱精神と技術的興味」だったので,その辺について書き残しておきます.
Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)で出会った、電子出版ならではの問題一覧です。これ以外にも素人が本出す時点で問題は起こってますが、その辺は省いています。
関係ない人はこれを読んでKDPに近付くのはやめようと決意し、やろうと思っている人は参考にし、やった人はあるあるネタとして白目でお読みください。
- 日本ではEPUBばっかでKDPメインでの情報は全然無い。
- 最新のKindle Format 8形式にiOS版だけ対応していなくてゴミ。
- 画面サイズが全く違うのに1つのファイルで表示させるの厳しい。
- OS環境で表示が全然違う。 ヤマモトヨーコを笑ってごめんなさい。
- 実装が一番甘いため、iPadが一番ミス発見に役立つという……。
- 執筆手段が限られ過ぎ。
- 一太郎がEPUB対応だけど、今の市場規模では7000円を回収できる気がしない上、2月にKDP対応の2013年モデルが出るという事実で手が出ず。
- GoogleDocsで書いてHTML吐かせるといいという話だったが、ワープロソフトのHTMLなんてクソすぎてレイアウト修正ができず断念。
- GoogleDocsでコピペするとランダムに半角スペースが挿入という、修正が大変なバグ発動。
- Sigilってepub編集ソフト経由が現実的だったけど、ドキュメントエディタとしての機能が弱すぎて辛い。
- Sigilに移植したら、GoogleDocsからのコピペ時に変なタグ引き継いで発狂。
- epubはXHTMLなのに、<br />と空<p></p>での位置調整を強いられるのに耐える強い心が必要。
- HTMLタグとCSSを手打ちで修正するのが一番という現実。
- EPUB3の縦書き対応とか、本当にただ対応しただけのアホ実装で漢字圏なめすぎ。
- そもそも、実質的にHTMLとCSSなEPUBで紙の代替ができると思ってる時点でアホ。
- HTMLベース過ぎて、本特有のレイアウトに対応する方法がわからん。たとえば、図にキャプション付けると、キャプションだけ次のページに回ったりする。まさかの透明TABLE使えと?
- 組版のバッドテクニックが足りないので、先んじている出版社側のノウハウに追いつけない。
- 70%ロイヤリティ始まったけど、最低額が250円じゃないと発動しない。 (これは低価格競争の歯止めにもなるけどね)
- ドル立ての小切手などで払われるから手数料が数千円という話だったが、すでに日本の銀行で日本円振り込みになってた。これはうれしい誤算。
- ただし、米国外への源泉徴収課税の回避には書類必要なのでは? いまだにわかっていないが、このままではただでさえ少ない儲けがさらに削られる悪寒。
- 画像はいろいろ対応しているけど、他の形式だとKindle側にてjpegへの再変換食らう。
- 液晶のカラー表示と電子ペーパーのモノクロ表示の両方を意識した写真素材が必要。
- ただでさえ素人に表紙デザインは厳しいのに、モノクロ&サムネ表示も意識しなければならない。
- 画像素材を多用すると極めて読みにくくなるので、解説書とか大変厳しい。
- 白のみの表紙だと、周囲に灰色の枠付けないと枠が消える。
- ローカルでKindle形式に変換できる公式コンソールソフト kindlegenの存在を知らずに多くの時間を無駄に。
- しかし、kindlegenは公式のくせに変換が完璧ではないらしく、変換した.mobiではなく.epubで提出した方がいいらしい罠が。
- 入力欄埋めたら、確認画面すらなく審査へ移って手が出せなくなるため、説明文書いてる途中のまま送って焦った。
- 編集などのプロが間に入らないので、どうでもいい事で苦悩する事が多すぎ。
- 日本語でのルールが全くないので、リンクの埋め込み方とかでも四苦八苦。誤タッチでブラウザ起動するとイライラするんだよ!
- 校正作業などをネット越しに頼む方法もわからず。
「向こうでPDFを印刷して赤ペン入れてもらい、それをスキャンして送り返してもらう」が最適解だったの、電子書籍の存在を真っ向から否定しててウケる。 - ただでさえ自分の文章の推敲・校正は辛いのに、端末環境ごとのチェックでさらに読み返す回数が増えるのでわけが分からなくなる。
- 100円の35%印税で35円なのって、100冊でも3500円なので時給換算とか考えたら負け。
- ただでさえ儲からないのに、儲け考えてない自分のようなアホと同じレイヤーに立たされるので商売は成立しない。
- 誰でも書けるテーマだと「いち早く最低価格100円にて焦土作戦をやったもの勝ち」な感じする。そして誰も幸せにならない。
- 審査の待ち時間が地味に大きい。1~2日程度だけど、アプリストアのような謎のリジェクト合戦を覚悟すべし。
- 実際,死にかけた。『自炊のススメ for Kindle』で出したら『for Kindle』がマズいらしい。普通にKindleって入る分にはOK。リジェクト理由、テンプレ的にしか教えてくれないため、前例を見つけられなかったら年内に出てたかどうか。(「Kindle版」ってだけじゃなくて、「Kindleユーザーのための」って意味で付けてるのにはじかれるのにいまだに納得いっていないし)
- 時期的にクリスマス直前で、長引くと北米の会社相手じゃ年越かねないので焦った。
- 日本でしか売らないのでamazon.co.jpで100円って指定で提出したら,適当に付けたamazon.comの3ドルの方が反映されて300円で並んだ(?)
- 通常の審査は24時間以内にされてたのに、連休挟むと60時間かかって生殺し状態が続いた.
- その間、告知無しで売れたのは数冊。
- Kindleストアに反映されても,通知メールや審査ステータス更新は数時間後に遅れるため,ストア側にミス見つかっても,修正すらさせてもらえない.そして,そこから再審査なのでさらに時間かかる.
- 登録されたジャンルが「文化人類学・民俗学」、「暮らし・健康・子育て」になったりした.Amazonにジャンル指定する際に適合するのが見つかりにくい上,Kindleストア側のジャンル分けはまた異なるため,変なのになりがち.問い合わせると手動で直してくれるらしい.
ふう、愚痴の箇条書きだけで2500文字いったぞ。これで本書けるな(笑)
詳細については,数回に分けて書いていく予定です.(というか結構書きためてます)