昭和刊行のトランプ大統領伝記本を読んで

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数年前に借りて読んだことはあったのですが,再読機会としては今を逃すと情報鮮度は落ちる一方なので,Amazonでポチりました。余談ですが,何冊かあって状態が良いと言い張っているのを選んでみたら,30年以上前の本なのに帯付きで焼けも無いのが届いて震えたのはをお伝えしておきます。

 

著者は決してドナルドを単なる「凄腕」として扱っておらず,すばらしい天才的不動産王,新世代のネゴシエーター(交渉者),そしてソフト社会,情報化社会の受け皿づくりの担い手として尊敬の念を持って書いている

――「訳者あとがき」より

さて,本書は日本はまだバブル期だった昭和63年に,原著執筆当時38歳だった「不動産王 ドナルド・トランプ」についての半生(と言ってもまだ38歳だぞ?)を第三者が取材してまとめた伝記です。本人は伝記書かれるのを嫌がっていたので,取材協力は無く,自叙伝的にはなっていないのがミソですね。

粗野な馬鹿というパブリックイメージを持たれているトランプ大統領ですが,少なくとも当時は,大胆ながらもめちゃくちゃ繊細かつクレバーなビジネスマンであり,なるべくしてアメリカンドリームを実現した時代の子だったわけです。

一気に事業を伸ばした20代,民主党支持者から共和党支持者に移るくだり,兄の死,その他もろもろ,十分に読み応えがある上,当時の米国の世俗も見えるので非常に読み応えのある1冊です。

これを読んでいると,当時から周囲にどう思われているか,どう見せたいかを考えて振る舞っている様子が垣間見えて,現在のトランプ大統領のアレな感じも,明らかに狙ってやってるんだろうなぁという思いになったりするんですね。

 

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この本が本当にすごいのが,あとがきがこう締めてある点です。将来,「政界に打って出るのか」ではなく,「米国大統領になるのか」なんですよ。

 

WWEに顔出してた頃とかも知っているので,最近書かれた本も1冊くらい読んでみますかねぇ。(どうもバイデン氏で決まりっぽいですんで,早めに)