現状最高の自炊用断裁機200DXの実機レビュー

はじめに

以前、断裁機180AT-P(180DX)が良さそうなので興味ある旨をブログに書いてたら、製造元の高崎精器さまより「無料モニターやりませんか?」と連絡が来て、感想書いたり、不満点を挙げたりしました。あれから半年、「新型が出るので再度モニターをどうですか?」との申し出をいただき、一も二もなく引き受けた次第です。前回の冒頭でも書きましたが、別にブログで宣伝しろとかそういう依頼ではないので正直な感想書いてます。

なお、現在売られている200DXならびに180DXは、ドイツが本社のダーレー社が販売元となり、電子書籍の自炊ユーザー専用に設立されたブランド『Durodex』として発売されている商品だそうです。基本的に180AT-Pと180DXは同じものだと思ってもらって結構です。

 

180DX、200DXの優位点

定番断裁機として有名なPK-513L、前回いただいた180AT-P、同型機の180DX、今回の200DXは、販売先が違うものの、どれもOEM元は古くから事務用断裁機を作られている高崎精器さまになります。なので、基本的な作りそのものは同等で断裁能力には大きな差はありませんが、唯一無二の決定的な差が『ハンドルを折りたためる』という機構があります。

 

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元々が事務機器用なので収納まで考慮されていなかったのを、電子書籍の自炊という個人ニーズを踏まえた改良なわけです。ハンドルが跳ね上がったまま上に物も起きにくい従来機と比べ、非常に大きなメリットとなっています。

実際、本の裁断は溜まったものをまとめてやる場合が多く、使用頻度はそんなに高いものではないため、長期間所有しているほどにその優位性を強く感じます。ハンドルでそのまま持ち運べるので出し入れも苦にならず、そこが原因で押入れの隅で埃被る事態にはなっていません。

 

断裁機としての雑感

何よりも、感心するほど工作精度が高く、ガタツキが皆無なのがいいですね。下手すると指だって切り落としかねない製品ですが、稼働部品のハンドルを使って持ち運ぶのに全く不安を感じません。

さっそく何冊か裁断してみましたが、小気味よく切れます。切断面もツルツルするほど美しいです。……当たり前のようにサクサク切れて断裁機としては、特に書くことが無いです(笑)

 

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安全面で何重にも考慮してあるのも安心です。刃は極力露出しないようになっており、万一に備えてハンドルもロックを解除しないと下りない仕組みになってます。

 

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ただ、背表紙の斜めズレはいまだに回避できてません。むしろ、一度に裁断できる量が増えている分、影響は大きくなってます。垂直裁断なのでズレはこれでも少ないんでしょうけど、背表紙の糊が片側だけ残ったりしかねないので、ここは改善の余地がありそうです。

 

180AT-P(180DX)からの改善点

大きな違いは何といっても断裁厚の向上でしょう。カタログスペック上15mm→18mmとたったの3mmしか増えていないんですが、その3mmが非常に大きいです。特に明確な差が出たのがヤンマガやモーニングのような青年向けコミックでした。

標準的な青年向けコミックの厚さでは、180AT-Pだと最大断裁厚をわずかに越えてしまい、手作業でカッターにて2分割する必要がありました。それが、たった3mm増えてくれた事により一発裁断可能へ。これは大きい。

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本の厚みはどれも似たようなものなので、小説・ノベルスでも一発裁断出来る作品が増えそうです。手元で確認した範囲だと180AT-Pでは小説で400ページは無理でしたが、200DXでは紙によっては500ページ近くまでいけそうでしたので、ちょっと厚めの小説まで対応できるのではないかと思います。写真は180AT-Pだと入るか入らないギリギリだったハヤカワ文庫JAで350ページ弱の小説ですが、200DXだとかなりゆとりを感じます。実際にはカタログスペック以上に違いがありそうです。ほら、身長150cmと180cmは全然違うじゃないですか。(よくわからないたとえ)

 

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さらに、裁断の手ごたえが軽くなった気がしてまして単に刃が新品だからだと思っていましたが、よく見ると180AT-Pより数センチほどハンドルが長くなってて、ハンドルの跳ね上げ量も増えてます。2台を並べられる環境だからこそ、収納性と断裁能力のバランスに工夫を重ねているのが伺えてニヤニヤします。

説明によると、構造的にも全体の強度が増して設計の見直しが入っているらしく、20%ほど裁断能力がアップしているとのことです。

 

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あとは、裏に収納時に抜く刃受けの棒をはめ込むホルダーがついていたり、設置部分へクッションが貼ってあるのも順当な改良点でうれしいですね。特にクッションの方は立てて収納する際にも配慮してあるのが好印象でした。

 

200DXのデメリット

現状売られている断裁機と比べても、自炊ユーザー向けとしては最高の製品だと思いますが、唯一のデメリットはなんといってもお値段ですね。1万円台の中華製品との比較では品質で渡り合えるとは思うのですが、最大のライバルが同社の180DXとなってしまっています。

180DXの場合はPK-513Lなどと同じ29800円で性能は同等なので、無条件に180DXがオススメだったのですが、200DXは37800円なんですね。ver. 1.8がver. 2.0になったようなものでより良い製品になったのはわかるんですが、価格差でKindle Paperwhiteが買えちゃう事考えると、180DXもまだ選択肢としては有力ですか。
しかし、せっかく少なくない額を払うならより良いものを買った方があとあと幸せだとも思います。悩ましいですな。

まあどちらにしても、Durodexブランドの高崎精器製断裁機はお世辞抜きで良い製品だと思いますし、本製品からドキュメントスキャナのScanSnapシリーズを製造しているPFU社とも提携をしたようで、新たな定番機として定着していくのではないかと思います。では、良い電子書籍ライフを。

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DURODEX 自炊裁断機 ブラック 200DX

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