伊藤計劃のハーモニー読了

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
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ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
伊藤 計劃
早川書房
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単行本
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虐殺器官伊藤計劃 長篇第2弾。自分の場合は、MGS4のゲームを終えたことで伊藤計劃著のノベル版のラストをやっと読むことが出来たので、やっとこの度ハーモニー解禁となったわけです。

内容としては、虐殺器官で崩壊が始まった世界を、2人の少女が生命と意識により解放・収束する話。ディストピアの在り方と受け止め方の行き着く先を描いた話。うん、書いてて伝わるとも思えないけど、伝わらない方がおもしろいので気にしないでください。

前作で虜にされたが、本作も期待以上の出来でした。2作目にして好きな作家は"伊藤計劃さんです"と断言出来るレベルですよ。作家買い筆頭に上り詰めましたね。

今回のラストに至るまでの課程には前作ほどのめり込みこそしませんでしたが、冒頭数十ページのミァハにのっけから心を掴まれた上、全編に渡って感情をマークアップ言語で記述しつつラストへつなげてゾクッとさせる手腕・発想には参りました。虐殺器官を含めたあの科学的に正しく狂った世界感が好きなんだろうな。自分もETML(Emotion in Text Markup Language)で感想記述したろかと思いましたが、あまりに陳腐化するので止めました。なんか、いろいろ書きたいけど、感情まで組み込み始めたらファミレスで朝までのノリで語れる作品なんで。

この本を読む場合は是非虐殺器官を読んでからにしてください。2冊で3360円ですけど、そこらのヌルいベストセラー小説なんか目じゃないほどの大傑作なので、是非オススメ。というか、読め。アフィまで貼って無条件で薦めるのは主義に沿わないので普段しませんけど、この2冊に関しては無条件で買いだから騙されてください。あ、でもSF属性無い人は勘弁な。

いやー、円城塔といい、伊藤計劃といい、ハヤカワSFシリーズJコレクションの新人さんはかわいげないほど傑作書くなぁ。