VRで感じたあのキモチワルイ感覚をどうにかして伝えたい

突然ですがクロスモーダル現象をご存知でしょうか?

 

 

PS VRの体験動画として最高傑作である上記動画(4分30秒~)が顕著ですが、VRの視覚に引っ張られて他の五感が誤作動起こす奴です。

今日は、このクロスモーダル現象の話をします。これ、そもそもVRを体験できる機会がまだ作りづらいために、その凄さを伝えづらいという構造的欠陥があるんですよね。

 

ZERO LATENCY

hoge

さて話は飛びますが、先月日本上陸した「動けるVR」こと「ZERO LATENCY」を体験してきました。要するにパソコンと電源背負う事で、15m×15mくらいのだだっ広い部屋を6人1組で縦横無尽にサバゲー出来る、最新のVRアトラクションです。 感想はいくらでもネットに上がっているので割愛しますが、一言添えるなら「ゲーム史の分岐点に立ってるとすら感じた」ので、是非。

んで、その中で最も感銘を受けたのが「エレベーター」の存在です。

勘のいい人ならお気付きかもしれませんが、単なる平面の空間なのに、本来あり得ない「高低差」の概念が導入されているんですね。 ステージの外周に便宜上のキャットウォークが設置してあるんですが、仮設エレベーターを使うとそこに「登れる」わけです。

このエレベーター、工事現場用のような外がもろ見えなタイプなのですが、エレベーターが「動いて」周囲の景色が下がっていくと、重力加速度を感じるんです。思わず変な声出るくらい動揺しましたよ。 その後も、キャットウォークの渡し板から覗く1階の不安定さにビビったり、「見下ろす」不思議さに翻弄されたり、1階に「飛び降りる」1歩目に逡巡したりと、高低差に翻弄される私。

 

あれもこれも、現実には私は床に突っ立ってるだけと頭ではわかっているのに、感覚が追従しない気持ち悪さと愉しさが詰まっていました。 ああ、この五感が狂う魅力をどうにか伝える術はないものか……

 

C90 3日目

さあ、本題です。

先日、某サークルの壮行会にて酔っぱらった勢いで13年ぶりに夏コミ参加を決意したのですが、そこで似た現象に出くわしたんですよ。

人が多すぎるので動いていなかった「動く廊下」を歩いた際、妙につんのめる感じがして「これだ!!!!」となりました。 そう、頭が勝手に生成した移動のベクトルが存在しないためにモニョモニョするアレです。 動いていないエスカレーターを登る時に、歩幅が合いづらくてつんのめったり、エスカレーターが動いているように感じたりした経験がある人は多いんじゃないでしょうか?

 

調べてみると、学術的な検証もあるようですね。

『壊れたエスカレーター現象とは:はてなキーワード』http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%CE%BE%E3%A5%A8%A5%B9%A5%AB%A5%EC%A1%BC%A5%BF%A1%BC%B8%BD%BE%DD?

『運転停止エスカレータに乗込む際の潜在的運動制御 : 違和感の原因を探る』 http://ci.nii.ac.jp/naid/110006163679

『停止エスカレータと視覚運動により生ずる姿勢変化と違和感』http://ci.nii.ac.jp/naid/110008689858

 

おわりに

長くなりましたが、要するにVR未体験の人には「VRで、止まったエレベーターで思わずつんのめるあの感じを10倍気持ち悪くした錯覚を感じたりする」って言えばクロスモーダル現象の凄さがちょっとは伝わるかなぁと思ったって話です。人間ってシステムの脆弱性を突くあの感じを人為的に引き起こせるVRの可能性、感じませんか?

とはいうものの、結局のところ体感するしかないわけで、PS VRの予約確定しているくせに、体験会の予約を本日キメてしまいました。来週末、DEEP(仮)って来ます。あー、早く10月13日にならないものか……