DQ9,55時間目の考察とかいろいろ

書きようがないので,痛くない程度のネタバレを含みます.チラ裏のつもりが書いてたら愚痴が長くなった.

システム編

DQ9は,むしろ攻略後の方が楽しめています.歴代作品で一番楽しいかもしれません.これは単に,今までで一番攻略後にやることが多いからだと思われます.過去作では,『さーて,終わったからとりあえずレベル99にして裏ボス行くけど……』でやるだけやってなし崩しに終わってましたが,それ以外にもいろいろやれることがあって楽しめそうです.

けれど,成長システムだけはひどすぎると思います.別にパラディンのはくあいスキルでHP&みのまもりチートが出来ようといいとは思うのですが,そことは別に職業とスキルが切り離されすぎてるのが問題なのです.

元々,DQ6以降の熟練度という概念が作業プレイに繋がっていたのを,職業システムと統合したのがDQ8のスキルでした.スキルシステム自体は,結局最適解が固定していた部分もありましたが,有限のスキルポイントをうまく割り振ることで成長に幅を持たせることが出来ていておもしろかったです.

一方,DQ9では元々職業要素が入っているスキルを職業と組み合わせてしまい,とりあえずスキルをかき集めておけば今までの職業やレベルは関係ないという状態に陥ってしまっており,制限がある中で成長を工夫する楽しみが皆無になってしまってます.それが一番顕著なのが"ダーマのさとり"ですね.その場で転職できる技ですが,確かに今回のシステムだと非常に便利ではあります.でも,こんなのが便利な時点でDQの転職じゃねーよ.FFのジョブチェンジみたくそこまで考えた上でのシステムならともかく,基本的にはDQの転職仕様のまま劣化してるんですもん.

ホントにスキルシステム導入したいなら,レベル連動性で『戦士はレベル30まであがったからスキルポイント30相当まで解放』にすべきだったと思います.これなら,本当に使いたい物を育てる方向に注力できますしね.

トーリー面

終わってみての雑感として勇者様感が足りないと書きましたが,もう少し振り返ってみます.

元々,DQって主人公が全くしゃべらないという人気作としてはかなり特異的な作品です.これもすべて,本来のRPGの主題であるロールプレイで勇者としてプレイヤーに冒険をするように作っているからです.

しかし,DQはシリーズを重ねる毎に,どんどん主人公の冒険の目的が曖昧になってきて6や7にいたる頃には目的そのものがあるのか無いのかわからない状態になってきました.そんな中,8はわりと昔のテイストに揺り戻しがかかっていて,非常に楽しめました.

そこで新作の9ですが,こいつぁいただけません.明確な目的もないまま,状況に流されるようにやることが増えていて,いきなり急展開で戦うべき集団が見えてきて,気付いたらそれとも違うラスボスと戦わされているという本当に場当たり的な冒険譚であり,そこにプレイヤーが感情移入なんてできやしませんって.

また,もう一つの問題としてサブクエストがあります.別にお遣いゲーが嫌いなわけじゃありません.ただ,ここにも苦労をする理由がほしいわけですよ.たとえば,大好きすぎる名作RPG 空の軌跡では,『依頼をこなすことで一人前の遊撃士になる』という明確な目標があるため,そのための作業とかは納得できるんです.なのに,DQ8では突然村人Aが『○○だから○○持ってきてくれない?』とかいうやる気の起きない頼み事をしてきて,作業感にうんざりですよ.

そういうわけで,脇役がいなくなったのは別にいいので,その分だけ主人公のストーリー進行へ注力して欲しかったです.別に王道でいいじゃん.