秋葉原の事件とUstream

事件当時寝てたし、起きたら即ばーちゃん家へ連行されたので、一連の概要を把握したのはつい先ほどなオイラ。しかし、かなり身近に起こったことだったので客観的ながらいろいろ書いておく。

事件自身の概要についてはネットソースしか無い自分なので、もっと詳しい人はいるでしょうから顛末だけ。犯人がトラックで秋葉原歩行者天国に乗り込んで、人を轢いたり、刺し殺したりで最終的に17人が病院へ搬送され、7人が亡くなられたようです。ご冥福をお祈りします。

そして、今回の事件を"身近"と表現したのは事件そのものではなく、Twitter繋がりで秋葉原のリナカフェにてダベったこともある@kenan_が事件の様子をWEBカメラにて実況していた事にあります。元々、IRCの#Twitterに常駐している面子は"高円寺クラスタ"と称される集団を中心に、IRCによる文字実況とWEBカメラによる映像実況が組み合わされたWEBサービス"Ustream"の利用率が非常に高くなっています。昨夜も夜明けまで高円寺の@retlet宅内にぐだぐだ集まって、初代To Heartを実況しながらプレイする、等というアホな事をやっていまして、Ustreamの利用自体は日常茶飯事なわけです。

さらに、オタクとPCの街である秋葉原Twitter利用者の親和性は異常に高く、週末どころか平日ですら夕方以降にリナカフェに行けば誰かいるという状況があります。

つまり一般の人には理解しにくいであろう個人による事件の実況中継も、この2つの条件が組み合わさることで、秋葉原の現場で @kenan_ がUstream配信を始めた行動自体は、我々にとって特別な事でも何でも無いわけです。現に、@swirhen辺りに至っては何もない秋葉原の移動時にすら、モバイルノートのLOOX Uとイーモバイル端末でUstream配信してますから。

では、次に倫理的な部分などにも触れていきましょう。

ニュースには少なからず速報性についての問題が付きまといます。今回の事件も、ネットのニュースを見ている限りでも、分単位で数行ごとにわかったことが配信され続けています。(この辺は、GIGAZINEの追記を見ているとわかりやすい)そして、最近は携帯のカメラが普及されている上、場所が日本で一番デジカメ所持率が高いであろう秋葉原なため、かなり多くの写真も見られます。

さて、そうなると個人で事件の速報を配信する時代になったらどこまで許されるのでしょうか?

今回@kenan_がやったことは、双方向で視聴者側とタイムリーなやりとりまでして、マスコミが駆けつける前の映像を配信し続けました。こうなると、マスコミですら到達出来ない領域での報道の新しい形です。つまり、この配信という行為そのものについてはマスコミとやっていることが同じな訳で、不快に思われたとしても完全に間違った行動では無いと思います。しかし、それを素人が勢いでやってしまったとなると、その配信によりさらなる問題が起こったときに責任の持ちようが無く、危険な行為でもあります。

よって、現状では言えることは、技術が倫理や感情を追い越してしまっているということでしょうか。悪い言い方ではありますが、"秋葉原"という情報の最前線と"無差別殺人"という大きな事件が絡み合ったことにより、個人レベルで情報がやりとりできるようになることの行く末が露呈したモデルケースだと思います。しかし、Ustreamのように視聴者との双方向性が確保されたメソッドが日本中に行き渡る日はまだ遠そうですね。

長くなってきたので、今日はここまでにしておきます。@kenan_もいろいろと冷静になってから思うところはあるようですが、使い方を考えつつも、Ustreamを生かす生き方を通して欲しいと思います。

追記ではもう少し俗っぽいこと書いておきます。

事件当時は起きていない訳ですが、寝ている最中でもIRCクライアントが蓄えたログにより、リアルタイムの息づかいを感じました。Twitterだと発言は途切れますけど、IRCだと本当の意味でのリアルタイムなんですよね。

12時47分までアキヨド付近にてiPodの話題をしゃべっていた@kenan_が、IRC越しに事件を知り、12時56分頃救急車を発見。その後"カメラ向けてもおこられないから配信してもおこられないよね"という13時5分の発言の後、高円寺クラスタの煽りにより実況開始。

たぶん起きてたら自分も大騒ぎしていたでしょうね。そうなっていたら若干他人事な視点でブログは書けていなかったでしょうね。

追記の追記とか。

@kenan_の書いた記事がはてブコメント集めすぎて裏で本人が動揺していますが、@kenan_の人となりや取り巻く環境をわからずに書かれてるためにちょっとズレてますよね。本人も"野次馬根性"という部分は認めているから、そういう突発行動の善悪判断なんて批評する側の自己満足ですよね。