食事以外の観光資源が壊滅的で、観光のオススメ聞かれても地元民が口ごもる街 福岡。そんな厳しい環境を、地元が福岡で今は関東在住の私が敢えて全力観光する記事を書いたのが2016年、つまりは早8年。
コンスタントに読まれていた上、私自身も福岡観光について聞かれたらこの記事を教えてたりもしてたので、そろそろ改訂版を出すかと一念発起しました。
レギュレーションなど
テーマは今流行りの"インスタ映え"です!
いや、あの、インスタ映えが流行語大賞に選ばれたのは前回の記事の翌年でして、敢えてインスタ映えを狙いにいこうと思ったんですよ。なのにいつの間にか外部サイトへの埋め込みができなくなっていたので、普通にスマホの写真貼ってるだけになってます……
レギュレーションなどは以下の通り。
- 一泊二日で現地を実際に回って確かめる。旅行系でありがちなコタツ記事(ネットの情報だけで家からも出ずに生成された記事)は死すべし!
- 地元の土地勘駆使しての限界移動なので真似する時は余裕を持ってルート構築してください
- 諸事情やトラブルによりズレた部分もあるため、記載の時刻は想定値です
- 平日に回ったので休日だとこの通りにはいかないかも
- 予算は常識の範囲で制限は無し
- 良きインターネットのために、広告なし、AAなし、全部持ち出しのしがらみ無しでお送りします!
- 前回とは被らない新スポットを多く入れたつもり
- 前回は公共交通機関のみだったのっで、バリエーションを持たせるために1日目だけレンタカー確保。2日借りても良かったですけどね
- 真夏の35度超に合わせていくつかのスポットは断念。いや、あの、真夏のオープントップバスは死ぬって🥵
- 1日目は地元の友人に付き合ってもらい、2日目は1人で回りました
- 写真はiPhone15Proでのみ撮影
1日目
朝一で福岡空港 or 博多駅に降り立って、レンタカーで大宰府→糸島→博多と移動する想定。福岡市よりも周辺地域の方が充実しているので、そちらを先に潰していきます。
8:45 福岡空港着→レンタカー確保
私は実家からスタートなので博多駅にてレンタカー借りましたが、ルート的にはむしろ福岡空港で借りるのが適切だと思います。
ちなみに今回、趣味全開でスカイレンタカーさんのGRコペンをお借りしました。
9:30 旧志免工業所竪坑櫓(4kmくらい。車で15分)
前回は2日目に回りましたが、車があると空港から行きやすいので初手訪問です。大きく異形な廃墟はそれだけでテンションが上がります。
元々、地下の炭鉱から石炭を引き上げるエレベーターの吊り上げ施設ですが、ここ15年ほどで価値の見直しと環境整備により、町のシンボルとして保存活動が進んでいます。
観光施設ではないのでが周囲には運動広場や町民向け施設があるだけですが、写真映えとしては充分かと。
10:30 竈門神社(車で45分程度)
次に目指すは、太宰府の竈門神社です。
車載カーナビが馬鹿だったのと、工事渋滞に巻き込まれて我々の到着は11時過ぎでしたが、普通に移動すれば30分強で着くかと。
この"竈門神社"、奥まった位置にあるのでそんなに有名な神社ではなかったのですが、"鬼滅の刃"の主人公が"竈門炭治郎"ということで、ここ数年は謎の特需が発生しております。
私も初めて行きましたが、高台の上で見晴らしが良い上、建屋も最新という立派な神社なんですよ。しかし、別に境内に鬼滅の刃の鬼の字も無いにも関わらず、世界各国から痛絵馬を奉納している一角が😅
わざわざこのために行くほどではないですが、太宰府天満宮のほど近くなので福岡の新しい観光スポットとしてコースに加える価値はあるかな、と。
11:00 太宰府天満宮(車で10分)
ここは外せないというか、これを抜くと福岡に何も残りません‼️
さすがに説明は不要と思いたいですが、菅原道真公を祀っている太宰府天満宮です。
令和6年現在の最新の見所は本殿です。令和5年から3年かけての大改修中なんですが、工場の仮殿だからこその攻めたデザインで、期間限定の良さがありました。
自然に溶け込ませるために敢えて朱色を廃して屋根に草を生い茂らせており、特に夏空と山の木々に溶け込んでいて非常に美しかったです!
11:30 福太郎 大宰府店(参道内)
"めんべい"でお馴染み、 福太郎さんが太宰府天満宮の参道にて店を構えている、オリジナルの焼きおにぎり屋さんです。2018年にリニューアルして、デザイナーさんの気合いを感じる店舗になっていました。
パリパリに焼いたおにぎりで挟んだ明太子。そこに追加トッピングの青じそと辛子高菜。構成要素の時点でうまいに決まってるんだよな。
SNS投稿用に撮影小物も置いてあったので、使ってみました。
唯一の懸念は35℃超の炎天下で焼きおにぎりを食べたくないってところでしたが、現地に行くとイートインスペースが完備されており、クーラー効いたところで美味しくいただけました。あれ無かったら酷評もあり得たわ……
11:45 梅ヶ枝餅 やす武本店(参道内)
コロナ禍を経て生まれた、スタイリッシュ梅ヶ枝餅屋。
太宰府天満宮の名物"梅ヶ枝餅"をリブランディングされており、正直なところ、すぐそばにある隈研吾氏デザインのスタバよりもこっちの方が雰囲気良いと感じました。
ただ、自分でも写真のセンスが無い……以前に暑すぎて、さっさと終わらせたい感が伝わってくる写真しか撮れてなかったというね。魅力が伝わらないと失礼なので、公式サイトの写真をお借りしました。敗北。
真夏にあっつあつの焼きたて梅ヶ枝餅、取り合わせとしては厳しい側ですが、それをキンキンに冷えた瓶の烏龍茶で流し込むとクッソうめぇ。ってか、こんだけ暑いとキンキンに冷えた烏龍茶が美味すぎる🤣
梅ヶ枝餅自体は何処で食べても美味しいので前回紹介した本殿裏のお店もオススメですが、今回の旅のコンセプトとしては新スポット巡りなのでいいセレクトじゃないかと。まあ、友人に案内されて着いていっただけなんですけどね。
糸島編
いきなり大宰府から糸島半島にショートカットです。ってか、ここに一気に来るために今回はレンタカーにしたようなものですから。幸いながら、高速道路の整備により小一時間で移動できます。
豊かな自然を大満喫という意味では、市内からも無理なく行ける糸島や能古島は悪くないんですが、どちらかというと福岡市民が休日を満喫する場所なんですよね。 別荘地ですし。 特に糸島は6年に渡り大学に通ったのでよく知っていますが、わざわざ遠方から来て短い滞在時間をがっつり割くのはちょっと違うかなぁ、と。
さて私事になりますが、諸事情にて糸島に6年ほど通っておりまして、8年前の記事執筆時の素直な見解としても上記の通りだったんですよ。いや、あの、今回別口で乗った地元タクシーの運転手さんも「一昔前は二束三文でも売れない山々」と言ってたので間違ってないはずです……
しかし"糸島"のブランド戦略により、「福岡市内からもいけるオシャレなカントリーリゾート」って雰囲気を漂わせてるんですよね、最近。
調べてみると、2011年頃から活動は始まっており、前回記事の2016年当時はまだまだオススメしづらかったですが、2024年現在なら福岡で回りたい地域として価値があるところまできてるのかな、と。
13:00 一蘭の森(車で1時間程度)
ご存知、"一蘭"は1人用のボックスカウンターで有名な福岡発祥のラーメンチェーンですが、セントラルキッチン方式で仕込んでおり、西日本の拠点は糸島なんですね。
現地に行くと、工業団地(工場系を集約するためのゾーン)内に位置しており、工場敷地内に観光客も見学できるような展示スペースを設けてるって雰囲気でした。自然豊か(ど田舎)な環境を広々と使った空間で、このためだけに糸島に来るほどではないけど、糸島に来たら寄ってもいいかなって感じのスポットになっていたかと。
ただし問題は行列!
現地では限定メニューを食べられるのですが、夏休み期間とはいえ、平日の13時台で55分待ちでした。おそらく休日はかなりエグい事になっていると思われます。
並ぶのは日陰とは言え外な上、予定も詰まっているので食事は断念しました。よほどの一蘭フリークでもない限り、ここはスキップしちゃってもいいかも?
13:45 ドライブイン鳥 糸島店(車で15分)
元々は佐賀県のチェーンですが、糸島は福岡と佐賀の県境側に位置しているので、佐賀の文化も食い込んでるんですよね。
ということで、一蘭を食べ損ねた我々は、佐賀のローカルチェーンな鳥料理専門店"ドライブイン鳥"の糸島店へ。
特に佐賀が舞台のアニメ"ゾンビランドサガ"内で異常な推され方をしており、ごく一部で謎の知名度を得ています。
正直、自分としては「佐賀をドライブしてたらよく見かけるから何度か寄ったわ」くらいの温度感ですが、食事は美味しいですし、妙な癖の強さは観光スポットとしての引きがある気がします。
15:00 芥屋の大門 遊覧船(車で20分)
糸島の人気スポット『芥屋の大門』。
— 糸島市観光協会【公式】 (@tsunaguitoshima) 2024年6月5日
洞窟、遊覧船、トトロの森、海水浴場、山、海鮮料理の店(最近ではカレーやハンバーグの店なども)など、1つのエリアでいろいろな楽しみ方ができます。
特集『芥屋の大門』では、芥屋の詳細地図や飲食店など芥屋の情報が満載です。https://t.co/BzuKcdht4h pic.twitter.com/XMwE0QaQrg
糸島半島の西側、海岸線の崖にある洞窟"芥屋の大門"へ入っていける遊覧船(黄色い奴。洞窟に入るのでサイズ小さい)があります。
私も中学生くらいの時に一度乗った記憶こそあります、福岡市民で乗ったことある人少ないんじゃないでしょうか?
外海に面したこの辺は信じられないほど海が綺麗で、かつ芥屋の大門自体も結構なサイズなので映え写真が撮れる!と期待していたのですが、現地に行ったら波が荒れてて欠航……。
写真は撮れなかったので観光協会のTwitterを貼っておきました。
15:00 芥屋海水浴場(車で3分)
欠航はしょうがないので、遊覧船乗り場からすぐそばの芥屋海水浴場へ移動。
ここは大学時代に泳ぎにきたりもしてた場所ですが、当然ながらここも馬鹿みたいに海が綺麗なんすわ。これ以後に出てくる、糸島半島東部の海岸だとここまでの水質じゃないので、これ観るためだけに来てもいいくらいに好きなスポットです。
彩度バッキバキに補正してるありがちな映え写真じゃなく、肉眼で見てこの色してます、マジで。
外海に面してはいるものの、入江の奥で波は穏やか。しかも砂浜まで美しいというね。立地的にはかなり辺鄙で福岡市民はここまで泳ぎに来る人も少ないため、本当に穴場中の穴場と言っていいんじゃないかと。
元々は、45分に1本の遊覧船待ちの時間調整で予定に組み込んでましたが、真夏にこの海観ながらかき氷ほおばってたら、それだけで十分に価値のある体験だったな、と。
15:45 またいちの塩(車で15分)
時間に余裕があったので、友人の提案で製塩所へ。
芥屋からさらに西という、糸島の最西端に位置するのが"またいちの塩"なんですが、ここ数年でかなり有名な観光スポットになっているらしく、20台以上停められそうな駐車場は満車でした。"工房とったん"の名の通り、半島の突端でここに来る以外は誰も来ない場所なんですけどね。すごい。
んで、そこの名物である塩をかけてくるプリンが思わず声出るくらい美味かったです。しかもそれを真っ青な海と潮騒に包まれて食べるんですから、確かにこれはここまで来て食べるべきものなんだなと納得させられました。
こういうものこそ、観光資源ですよね。
17:00 二見ヶ浦(車で30分)
糸島半島と言ったらまずここ!という景勝地。季節によっては夕暮れタイミングで映えまくること間違いなしかと。
他に何があるわけでもないのですが、メイン道路沿いなのでさっと寄る感じでいいんじゃないかと。この周辺はオシャレカフェなどの集積地となっているので、その辺りで時間取るのも良いですね。
17:30 ざうお本店(車で15分)
福岡どころか全国に展開している魚介系居酒屋チェーン"ざうお"の本店が糸島にあるのですが、その前の海水浴場に客引きとしていろんな映えアイテムを設置しているんです。
いや、あの、もうネタ切れ感あったんですが、道中だったので寄ってみただけですね。
確かに雰囲気良かったし、海水浴客でにぎわってもいたのですが、ヤシの木ブランコで写真を撮っても「ブランコが楽しそうなおじさん」の写真にしかならなくて掲載は断念。代わりに、その隣のサメオブジェを置いておきますね。
18:30 ららぽーと福岡(車で1時間)
レンタカーを返すまで少し時間があったので、ららぽーと福岡へ。立地としては博多駅からも福岡空港からも数kmなので、予定の隙間を埋める用途に使いやすいです。
さあ、ここにあるのは逆シャアに登場のνガンダムを富野監督監修でカスタマイズされた実物大立像! 2022年に開業したららぽーと福岡の目玉です。
地元では有名な噂として、横浜のガンダムで手足を動かそうとしたら法的に建物なのかどうかで揉め、その名残で通常仕様のフィンファンネルも付けられず、なんやかんやあってロングレンジフィンファンネルとかいうオリジナルνガンダムが爆誕したという経緯らしいですね。
実物大ガンダムシリーズは国内のお台場、横浜ともに海辺の開けたところに立っている(た)中、福岡のは建物の密集している中に立っているのがポイント高いです。立体駐車場の陰からガンダムがチラ見えするところなんかは、虚構が現実に食い込んでいる感じでニッコリしちゃいます。
19:30 アパホテル&リゾート〈博多駅東〉(徒歩10分)
博多駅前でレンタカーを返して、一旦ホテルへチェックイン。
福岡市内はあまり観光客向けの宿泊施設がないのでどこでもいいっちゃいいんですが、今回はとある体験に合わせて、ここのアパホテルを決め打ちで指定させていただきます。理由は後述。
ここは2021年開業らしいんですが、同じく福岡出身の友人から「例の福岡旅行記事にここは入れるべきだ」とのタレコミがありまして、何ならここに泊まるためにこの記事を企画したといっても過言ではありません。
20:00 もつ鍋 楽天地(徒歩0分)
ここからは前回同様、晩御飯の自由行動ですが、この時は1日遊び疲れていたので友人とそのままホテル1階に入っている"元祖・もつ鍋楽天地"になだれ込みました。
さて、ここでめんどくさい福岡民のもつ鍋論を聞いてもらいたい。
"やましょう"の接待に使えそうなもつ鍋も良いでしょう。"やま中"のような味噌ベースのスープも悪くありません。でもね、言っちゃ悪いけどもつ鍋ってそんな上品な食べ物じゃないんですよ。元々が、捨てられていたような内臓を何とかして美味しく食べようと生まれたのがもつ鍋であり、各ご家庭で雑に野菜を放り込むのが基本なんです。
最近広告をよく見る"おおやま"さんを例に出させてもらいますが、キービジュアルがこれなんですよ。違い、わかりますよね?
もつという癖のある食材に対し、山ほどのニラとニンニクをぶち込んでこそのもつ鍋なんです。ニラの葉っぱのきれいなところだけをきれいに切って並べるなんて贅沢すぎで、本来は茎も含めて全部ぶつ切りです。
そして、そんなもつ鍋を提供してくれる店の代表こそ、"楽天地"さんなんです。
大学時代、畳がもつの脂でぺっとぺとな店舗で小汚いカセットコンロに山盛りのニラと格闘したあの頃から幾星霜。そんな楽天地さんも一般層を狙ってどんどんと店舗がオシャレになっていきました。
調べてみましたが、あの頃の雰囲気が残っているのは西中洲店のみのようです。それでも、それでも……山盛りのニラ、センマイなどのいろんな部位のもつ、食べ放題のチャンポン麵と、変わらず豪快なもつ鍋を提供してくれています。店舗にいると、新設のカフェのようなオシャレな内装にジャズなんかがBGMで流れてきているのに目の前にニラの山があるの、ギャップがひどすぎて笑えてきますね。
変わらずに今のままでいてくれ!!!
2日目
帰路につく18時頃まで、福岡市内をグルグルと回るプランです。前回の記事とも組み合わせて、良い感じのスポットを拾っていただければと思います。
7:30 もつ鍋 楽天地(徒歩0分)
……二食連続もつ鍋とか、馬鹿なの???
はい、先ほど書いたように、アパホテルの1階に楽天地が入っているのですが、ここの朝食バイキングは楽天地のもつ鍋なんですね!
地元民感覚でも朝からもつ鍋、しかも楽天地のもつ鍋なんて狂気の沙汰ですが、確かにこれは「体験」です。
なお、店舗営業としても朝食を提供しているので、アパに泊まっていなくても楽天地で朝からもつ鍋を食べられます。うれしい!(うれしいか???)
もちろん基本単位は少量ですが、バイキングですからいくらでも追加できますし、提供される味も、器も、店員さんもちゃんと楽天地仕様。一方で、奥に写しこんだように、申し訳程度に通常の朝食バイキングも用意されていますし、朝からもつ鍋なんて食べられないよという方向けに湯豆腐も選択できます。
とはいえ、せっかく楽天地に来たのにもつ鍋食べないという選択肢はありません。馬鹿なので食べ過ぎて出発が1時間遅れました……
8:30 博多駅→福岡タワー(西鉄バス, 30~45分)
通学で下手すりゃ1000回近く乗ってたこの路線に乗ってた身としては当たり前の光景なんですが、全国的には路線バスが特快で都市高速走っているのって珍しいらしいんですよね。
特に博多駅→福岡タワールートは直通している上に、眺めも良いルートを通るので、路線バスなのに観光手段としてのコンテンツ力を有しているんじゃないかと。前回はオープントップバスにて同じルートを通るのでサラッと流しましたが、真夏のオープントップバスは死の香りがするのでこれで許してください。
9:30 福岡タワー(バスで直通)
地元民、意外と福岡タワーに登る機会も無いし、登りたいとも思っていないので前回の記事でも登らずにスルーしてました。
しかし、まがりなりにも全高でスカイツリー、東京タワーに続く全国3位のタワーに登って楽しくないわけはないんですよね。景観としても海浜タワーなので海と街のコントラストが映えており、今更ながら「福岡タワー、いいじゃん!」という気持ちになりました。
さらに、運営側も苦心しているようで、カップル向けに企画やったり、映えおみくじを作ったりといろいろやっており、その中でも「推し活」としてイルミネーションを変えよう!とか頑張ってます。んで、今夏はぬいぐるみなどを飾る用の"推し壇"が増えていました。みんなも、推しのぬいと一緒に福岡タワーへ登ろう!
10:15 ももち浜(福岡タワーの裏手すぐ)
前回も撮りましたが、やはり百道浜からのこの光景は良い物ですね。手前がシーホークホテルで、その奥が福岡ドームになります。もう少し逆側に歩けば福岡タワーも収められますが、画角的にドームが小さくなりすぎるので諦めました。
ここはタワー→ドームの徒歩移動ついでなので、海側を歩くと気持ちいいです。
10:30 王貞治ベースボールミュージアム(ドームの横)
以前からドーム併設で存在はしていたんですが、一度観れば満足なレベルだったので前回は観光コースから外していました。それが2020年に完全にリニューアルされたんですね。
"E・ZO FUKUOKA"という、HKT48劇場、チームラボコンテンツなどが集約されたエンタメ施設が開業して、そちらに移転したわけです。
かなり充実して見ごたえのあるミュージアムになっており、巨人・ホークスファンではなくとも、国民的スターである"王貞治"を知れる場として、観光ついでなら回って悪くないかなと思える内容でした。
ただ、"E・ZO FUKUOKA"は総合的なエンタメ施設としてのパッケージ売りをしているようで、"カブトクワガタの森"展なんかも込みで1800円というのはさすがに割高過ぎるかな、と。
11:30 福岡ドーム バックヤードツアー(隣、というかチケット買うのはE・ZO)
ホークスファンながらツアーに参加した事なかったんですが、ホークスファン関係なく楽しいですね、これ。
ドーム球場行ったことある人ならわかると思うんですけど、ゲート抜けていきなり広大な人工空間が拡がるのってそれだけでワクワクするじゃないですか。しかもそれが無人で自分たちだけだと、ものすごく贅沢で特別なことをしている気分になれます。
案内のお姉さんは当然ながら日本語しかしゃべれませんが、韓国人観光客も結構いて、それでも終始はしゃいでましたから、制限なしの写真撮り放題で非日常的な空間をパシャパシャやるのはそれだけで楽しいんだと思います。
開催日程が不定期なのが難点ですが、月の半分から3分の2は実施しているようですし、最大240人までいけるらしいのでやってれば当日券も狙いやすいので、検討の余地は十分でしょう。
ただ今回限定の愚痴を言わせていただくと、①1名様から楽しめます的な事は書かれているが一緒に撮ったり撮られたりするのが楽しいツアーなのでおっさん一人はちょっと心がやられる、②夏休み期間で親子連れが大半だったので気後れする、という問題はありました。
dometour.softbankhawks.co.jp
13:00 福岡市博物館(ドームから歩ける……けどバスで数分)
市立ですけど、下手な県立博物館より充実しているのが福岡市博物館。常設展は10年ほど前にリニューアルして、古代から近現代まで福岡・博多の歴史を網羅している非常に素晴らしい展示なのに200円なので行かない理由はありません。正直、大宰府の九州国立博物館と福岡市博物館をどっちを観るべきか聞かれたら福岡市博物館の方かもしれないレベルです。
何せ、"金印"というウルトラレア級のメインコンテンツ(未確認ですが、写真撮影も可能?)がある上、刀らぶにも実装されている名槍"日本号"なども常設展示されており、立地も福岡タワーから徒歩5分。理想的な観光スポットです!
という部分を現地確認しようとしたんですが、実際は企画展でやってた"大哺乳類展"に吸い込まれてました。スケジュール的に両方は見られませんでしたが、福岡市博物館はいいところだなと思いを新たにしましたとさ。
15:00 サザエさん通り(博物館から徒歩数分)
道中なので撮っただけですが、この辺はサザエさん発祥の地なんですよね。
サザエさんが東京のものと思い込んでいる人が多いですが、もともとは福岡の新聞に掲載された4コマ漫画なんです!
ということで、それをアピールするための銅像や碑が複数立っていて、"サザエさん通り"として発信してたりします。
なお、わざわざ観に来るほどの魅力はないので、道中にあるついでで観るくらいの温度感で良いかと。
ついでの豆知識として、ここから徒歩圏内にヤクルト創業の地の石碑もあるんですが、36℃の炎天下で撮りに行くほどではなかったのでリンクだけ貼っておきますね。
15:30 元祖長浜屋(明治通り沿いのバス移動。前後は結構歩く)
「ししろん、ちゃんと元祖長浜"屋"に行っててえらい!」
さあ、始まりました。めんどくさいソウルフードトーク その2です。
まずは「博多ラーメンと長浜ラーメンは違う」、「一蘭や一風堂は認めない」から始まり、とんこつラーメンに対して鬱屈した想いを抱えて生きているのが福岡市民(主語がでかい)なんですが、その究極系が「"元祖"をどこまで認めるか」になります。
あらゆる経緯を端折りますが、元祖長浜"屋"という源流から、従業員らが勝手に(?)元祖ラーメン長浜"家"を始めたり、その"家"をパクって別の"家"ができたりと、いろんなフォロワーが発生しており、総じてどの店もわりと同じ味なんですよね。何なら本家の方が1日を通して味が安定していないまである
そうなると、割と行きづらい場所にある元祖長浜屋まで行かずとも、中心部の中洲川端にある"家2”で良くね?みたいな気持ちになる時はありますし、実際に私もそうなってます。
ただ、わざわざ福岡に来てラーメンを食べるとするなら、一風堂でもなく、一幸舎でもなく、真のソウルフードである"元祖長浜屋"を食べてほしいという想いがあるんすわ。
殺風景な店内。選択肢の無いメニュー。客側がわかってる前提のオペレーション。扉くぐった瞬間に唱える"ベタ生"の声。24時間絶え間なく入ってくる客。異常な回転率……etc. これらすべてが噛み合ってこその"元祖長浜屋"体験なんです。
そこで問題なのが、おそらく福岡外の人にとって元祖ってそんなにおいしい物じゃないんですよね🤣🤣🤣
過去にも県外の人間を何人も案内しましたが、「味が薄い」、「え、なんでこれでひっきりなしにお客さん来るの?」、「おなか壊した」など、散々な言われようでしたよ。そりゃあ、県外で"元祖"系統のラーメンが流行らんわけだ。それでも、それでも、やはり"元祖長浜屋"を食べてみてくれ!
この記事を書いている私の切なる願いなのです。
貴重なまとめだ
— はげあたま (@hageatama) 2024年5月12日
福岡外で考えると、市場の中にあった方のまるしば屋は粗雑な感じも含めて貴重だったので閉店は本当に惜しまれた……
あと店舗的に似てる感じだと神奈川県平塚に"博多 山笠"があるけど、ラーメン自体は似ても似つかないんだよなぁ https://t.co/Mx1lGq5aEX
16:15 川端ぜんざい広場(明治通り沿いのバス移動。途中で地下鉄に乗り換えるとGOOD)
山笠のあるけん博多たい
川端通商店街の一角に常設で山笠が飾られています。博多を代表する祭"博多祇園山笠"で担がれる山車みたいな奴ですね。
日本全体の知名度だと福岡の祭は"どんたく"かもしれませんが、福岡市民、というか博多の人間が命賭けているのはこっちなんですよね。たとえば、福岡市長が「どんたくは恒久的に廃止します」と言っても市長辞めさせるところまではいかないと思いますが、「山笠は恒久的に廃止します」と言ったら政財界がブチ切れて翌年には市長が交代すると思われます。
そんな山笠の展示がここではされていて、今年の題材が逆シャアでした! バカでけぇνガンダムとサザビーがこちらでも観られるので、是非行ってほしいなと。
なお、山笠は毎年作り直しなので展示はおそらく来年の初夏までですが、それ以降も新しい山笠が飾られるはずです。
16:30 櫛田神社(川端通商店街の端)
そんな博多祇園山笠の中心となるのが櫛田神社です。こちらにも山笠が奉納してありますし、何よりも「櫛田さん」として博多で最も有名な神社となります。
ルート的にも行きやすいので是非手を合わせておきましょう。
16:45 キャナルシティ博多(徒歩で数分)
地元民の感覚だとまったく理由がわからないんですが、韓国の方を中心に異様に観光地として人気があるのがキャナルシティ博多です。街中のショッピングモールですね。
こうやって改めて見てみると、奇抜で個性の強いデザインな建物は"映え"を感じますね。入っているお店もイオンモール的なハコモノとは一線を画してますし、1階の水場ではお子さんたちが楽しそうに遊んでたりするので、十分に時間をつぶせるのかもしれません。
なお、写真は1時間に1回の噴水ショーです。
17:15 櫛田神社前駅(徒歩数分)
一部市民の悲願として、"七隈線"という地下鉄路線の博多駅までの延伸というのがありまして、それが2023年にとうとう達成されました。みなさんにもわかりやすくいうと、博多駅前で陥没事故起こしたのが、この路線の工事ですね。
そんな延伸区間の新駅として誕生した櫛田神社前駅を利用してみましたが、博多の民芸品が展示されていたり、単に新しい地下鉄駅はSFっぽくて楽しかったりと、ちょっとした満足感はあったかな、と。
福岡の友人がいるのなら「七隈線の延伸区間乗ってみたよ」と伝えると、会話が弾むかもしれません。特に櫛田神社前駅を利用したことある人は少ないと思われます。
17:30 博多駅屋上(七隈線降りて上に上がるだけ)
そもそも屋上に登れることがそこまで知られていない上、普通にエレベーター使っても繋がっていなかったりするので、意外と穴場な博多駅屋上。空港そばという福岡市の特性上、建物の高さ規制が低めなので屋上からだと市街地が一望できます。
他にも神社や展示などもあるので、電車や飛行機に乗る前に少し時間が余ってるときに屋上へ登ってみてください。
17:45 焼きたてなんばん往来(博多駅1F)
福岡では通りもんと並ぶくらいに有名だけど、手土産としてのパンチはないので県外には知られていない銘菓"なんばん往来"。
そんななんばん往来を超絶豪華にした"焼きたてなんばん往来"が、博多駅1Fの土産物街でのみ購入できるので是非食べてほしい!という布教活動です。
見た目からして下手なケーキ屋さんより凝ったスイーツでありながら、地元で知られた銘菓という側面もあるため、私も福岡に帰省するたびに実家への手土産として博多駅でこれ買ってるほどです。はい、単に自分が食べたいだけです。
ただ、唯一にして最大の弱点がありまして、賞味期限が当日限定……
旅行の手土産とするには致命的な仕様ではありますが、だからこそ空港の待合室や、ご自宅に戻ってすぐにご家族で食べちゃってください。
18:30 ラーメン滑走路(福岡空港内。地下鉄で2駅)
福岡空港はここ数年ですべて変わったくらいに改築工事が進んでおり、中を回るだけでも2時間くらい潰せそうなほどにいろいろと充実してきてます。
そんな福岡空港にラーメンスタジアム的なスペースも出来ており、出発までの空き時間でラーメンの食べ収めも出来るようになりました。ということで、"ラーメン海鳴"の"ジェノバラーメン"で締め!
「ラーメン海鳴と私」で語り始めたらそれだけで1記事書けそうですが、それはそれとしてとんこつラーメン原理主義者の私でも、とんこつ+バジルスープのジェノバラーメンを毎回食べたくなっちゃうですよ。まさに、癖になる味。お試しあれ。
19:00 JAL BLUE SKY(保安検査後の待合室)
前回とやってることは変わっていませんが、保安検査を抜けたら、JAL系列の土産物屋さんに直行して、通称"酒クズ用森伊蔵"をゲット。世間ではプレ値が付いている森伊蔵がプラカップにしっかり入って660円で飲めるんですよ、福岡空港なら!
機内販売用などでJALへの卸し枠が一定量確保されているようで、定価に対する量り売りになってる結果なので、出てくるのは森伊蔵そのものです。
福岡空港使う時はほぼ100%飲んでますね、これ。
ただ弊害もあって、今回の帰省では「もらいもんで余ってるからあげるよ」と森伊蔵の四合瓶を戴く機会があったんですが、ロックで飲んでたら目に浮かぶ情景が福岡空港の待合室になるという稀有な体験をしました。嫌すぎるパブロフの犬だ……
備考① : にしてつバス
福岡市移動の帝王は今も昔も"にしてつバス"です。最近はGoogleマップでバス移動もある程度追えるようにはなりましたが、やはり公式の時刻表アプリは入れておきたいところです。
備考② : 大地のうどん
大地のうどん 本店|西区|福岡市|うどんMAP全域|お店情報|ももち浜ストア番組公式サイト - テレビ西日本
福岡は知る人ぞ知る、うどんの激戦区なのです。最近は資さんうどんが話題ですが、あれは日常的に食べるタイプのうどんであって、わざわざ食べに行く感じじゃないんですよね。ということで、観光目的なら大地のうどんがいいんじゃないかと。
- 博多駅前にもある
- 一目でわかるインパクト
- 福岡特有のごぼう天という概念
- 東京の人が気に入ったら高田馬場に店舗がある
備考③ : コーヒー好き視点での喫茶店のオススメ
マンデリンシナール 1100円
実際には疲れ果てて休んだ喫茶店などもあったので、写真整理ついでにご紹介。"珈琲舎のだ"さんです。
スペシャルティを頼むと結構いいお値段はするものの、都内でも余裕で戦える味をこのお値段とか馬鹿安では?みたいな気持ちになれます。
似たようなお店で、中洲川端駅そばの"博多リバレイン"に入ってる"豆香洞"さんもオススメ! 焙煎の世界チャンピオンによるお店で、こちらに至っては標準のブレンドが普通の喫茶店価格なのにその倍はしそうな味がして思考がバグります。
備考④ : ブラックモンブラン
結局のところ、帰省して食べたいものってローカル企業のこういう奴なんですよね。
7月頭からブラックモンブランを実際に成層圏で撮影した期間限定パッケージが出てたんですが、基本的にスーパーマーケットなどへの出荷限りだったようで出会えず。
それはそれとして、灼熱の真夏に食べるブラックモンブラン、美味すぎて変な脳内物質出てきました。
備考⑤ : イカの活き造り
予算度外視で博多駅回りや中洲にておいしい物を食べたいなら、"河太郎"さんオススメ。このクオリティのイカは福岡でもなかなか食べられないレベル。まして、他県ではそうそうに出会えないでしょう。観光ならこういうのを食べないとね。
備考⑤ : 幻の博多湾横断
ギリギリまで悩んでいましたが、断念したのが”うみなかライン”。博多湾を縦断して、志賀島側の対岸へ20分でワープするルートです。その先に何があるかというと、日本で鳥羽水族館とここにしかいないラッコのいる水族館"マリンワールド"があるんですね。
しかも、ドームのある百道と博多駅側の博多ふ頭の2種類が出ているため、いい感じに地点移動を組み込めるわけです。さらにこの航路のいいところを挙げると、万が一欠航になっても、都市高速やJRなどの陸路が繋がっているため、リカバリーが効く点も良き。
なお、ほぼ同じ航路の市営渡船も出ているんですが、こちらは百道側へは来ていない上、到着先が微妙にマリンワールドからズレているので、乗るんなら"うみなかライン"が正解です。
ってなことを友人と話しながら1日目を送っていたら、その週末には実行に移してくれました。以下の通りです。
博多港とマリンワールド、百道浜とマリンワールドを繋ぐ路線を同じ会社の渡し船が運営してて同一料金なので、往復便+マリンワールド入場チケットのセットで、博多港→マリンワールド→百道浜というルートで福岡観光ができる。
— あれっくす (@NStyles) 2024年8月5日
夏は暑い。 pic.twitter.com/banpjtMATE
備考⑥ : オープントップバス
福岡のオープントップバスについては前回も付き合わせた友人のブログを読んでもらうとして、気になるコースが2パターンあったんですよね、今回。
1つが「福岡きらめきコース」で、日が暮れた後の夜景を楽しむコースです。確かに、日が暮れてしまえばオープントップバスは楽しいかも。
2つ目が空港巡回コース。空港の滑走路をオープントップバスで走るというコースで、絶対にそんなの楽しい奴なんだけどさすがに常設ではないようで、月間10便ちょいの模様。
もしタイミングが合う方がいたら体験レポート待ってます。
備考⑦ : 博多の職と文化の博物館 ハクハク
2023年4月オープンで、明太子のふくやによる食のテーマパークのようです。
コンセプトとしては今回の旅程に入れたかったんですが、公共交通機関では生きづらいんですよね、ここ。博多駅からなら隣駅から歩くだけなんですが、さすがに炎天下を片道20分歩く気にはなれず……
次の帰省で行く機会があれば、追記したいと思います。
備考⑧ : 天神ビッグバン
将来に向けて都市部を全部潰して再開発という、全国的にも珍しいプロジェクトを着々と進めている福岡市。シムシティのノリで見知ったビルが次々に更地になっていくのは爽快さとわずかな郷愁を感じますね。
併せて、博多駅から数kmの九大跡地に対しても再開発事業者が2024年5月に決まったとのことで、そちらも含めて、まだまだ福岡市の活況は続きそうです。
この辺、観光スポットとしてどうなのかが読めなかったので今回は外していますが、また8年後に改訂版出すとしたら、入ってくるのかもしれませんね。
備考⑧ : 糸島のトゥクトゥク
当初は糸島移動をトゥクトゥクにしようと思っていたんですが、真夏は厳しい&糸島半島は結構大きいので回るのが大変ということで、諦めたんですよね。
気候が良い場合なら選択肢としてありかなと思います。
おわりに
ただでさえ観光スポットが少ないのに、被り減らして新スポット紹介とか無理じゃね?とか思いながら計画しましたが、思いのほか知らない場所だらけで楽しめたな、と。さすがに8年経ってますしねぇ。
これを読んで「観光資源が無いのに無理しやがって……」となるか、「お、意外と福岡観光楽しそうかも?」と思われるのか、その辺はみなさんにおまかせします。
それでは、SNSやブコメなどの感想・オススメスポットなどのご意見お待ちしております。絶対、見落としあると思うんだよなぁ。