はてなブログに移行してお試しの1ヶ月課金が切れかけたので、先ほど1年分の正式課金をしました。その勢いで書いてみた奴です。
近況報告
こんにちは、「小説家になろう」界隈のフィールドワークをしている者です。
ブログはおろかTwitterにすら反応書いてないのでとっくに飽きたと思われているかもしれませんが、未だに続けていたりします。ここ半年分を遡ってみた所、安定して月間250万文字超ペースです。もはや自分がどこに向かっているのか完全に見失っていますね。
異世界転生感の変化
ふと増田のブコメの「戻る前提の転移系」に関する流れを見ていて、ちょうどここ1ヶ月に感じた違和感がその延長にあるなと思い、簡単にまとめます。
八男って、それはないでしょう! 1<八男って、それはないでしょう!> (MFC)
- 作者: 楠本弘樹
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2015/09/19
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
まのわ 魔物倒す・能力奪う・私強くなる (このライトノベルがすごい! 文庫)
- 作者: 紫炎,武藤此史
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2014/08/09
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (5件) を見る
先月から読んでた「八男って、それはないでしょう!」(全276万文字)と、今月読んでる「まのわ ~魔物倒す・能力奪う・私強くなる~」(全448万文字の折り返しまできた)の話です。
前者は見事なほどにテンプレ作品で、物語の起伏も薄いので、死んだ魚の目で作業的に読み進めたんです。一方、後者は448万字という物量も気にならずに楽しめてます。
その間に横たわっているのは、作品の出来以前の、なろう小説特有の断絶だと思うんですよ。両者を紹介していると大変なので、以下に要素だけまとめた表を作りました。
(全然関係ないけど、まのわってノリとか雰囲気がスレイヤーズに近いと感じている気が。)
我慢がならない部分
典型的なテンプレ作品だったからこそ「八男って、それはないでしょう!」がずっと辛かったんですよね。
例えば、私の「常識」としては、転生する程度に繋がりのある世界で使われているのが「日本語とローマ字」なのは有り得ないんですよ。仮に日本語が使われているなら世界同士の繋がりが何処かに無いと成立しない設定です。
しかし、なろうにおいては言葉が通じないとかいう枝葉の問題は異世界で俺Tueeeeする描写に邪魔なので「公用語は日本語」って平気な顔でしちゃうんですね。
当然、他にも文化的や生態系的に日本との接触がないと成立し得ないものがたくさん出てきますが、そこに深い意味はありません。だって、そういうものなんですから。
こういう雑過ぎる部分が許される辺りが、なろうのなんちゃって異世界ファンタジーで馴染めないところなんですよね。
アマチュアの無料作品なんてそんなもんだって意見もあるかもしれませんが、むしろワナビってその辺を無駄に作り込むもんじゃないんですか? #偏見
「まのわ」は素直に楽しめてます
「まのわ」については、私の「常識」側に沿った文脈で書かれているため、何の抵抗もなく飲み込めてるんですよね。それなりに成長するし、それなりにピンチになるし、それなりに元の世界に未練があるし、それなりに伏線があります。
元の世界要素一つとっても、まのわの場合は「んー、多少は未練あるし、こっちの世界に戻ってくる術も用意できそうだから、とりあえず元の世界に行けそうなダンジョンを目指すか」くらいのノリで話が進みます。
こんな「当たり前」が無視されても人気が出ている作品がたくさんあるっていうのが私の常識が崩れていくようなんです。自分の感覚が古いのか、世間の理解力が低下しているのか、とても興味深いと思いませんか? だからこそ、フィールドワーク対象としてなろう小説を読んでいるんですが。
ちなみに、まのわのコミカライズ、ヒロインのキャラはよく伝わる出来になってるので、気になった人は試し読みをどうぞ。
両作品へのフォロー(?)
100万字オーバーで「完結している」ってだけで、全てが許されるほどの偉業です。それだけで読者は頑張れるのです。
なろうの現状に対する補足
ここで間違ってはいけないのが、本稿は過渡期の分析であって、最新の情勢にはなっていないって所です。
両作品とも超重量級ですから連載開始はともに2013年です。無職転生で2012年11月開始ですから、ちょうど異世界系ジャンルの過渡期だった頃じゃないかな、と。
2chで、2016年の年間人気100位以内の詳細な分析が上がってます。これを見れば明らかですけど、直近1~2年で人気作が入れ替わってて新陳代謝がゴリゴリ進んでいる世界なんですよ。
もちろん、上で書いた私の常識とのズレは強まってきています。本質的に「小説家になろう」を理解しようとすると、読み続けるしかないのが伝わるんじゃないでしょうか。
おわりに
雑なまとめだけではあれなので、オススメ作品でも挙げておきますね。
読み物として超面白かった上に、全体のエピローグが更新されているというドンピシャのタイミングなので、今から読むのに超オススメです。
うん、わかる。どう考えてもタイトルから地雷臭しかしないんでしょ? 私もそう思ってましたが、読み始めると一気に引き込まれました。
実装やバランス調整がクソな穴を巧く突く辺りに、俺Tueeeにも説得力があるし、プロット厨の私も大満足の伏線回収力なんですよ。
ほら、こんな記事読む暇があったら、猫耳猫オフライン読みましょう。
この世界がゲームだと俺だけが知っている 1<この世界がゲームだと俺だけが知っている>
- 作者: ウスバー
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン
- 発売日: 2017/04/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る