原発に頼らないリスクについて

泊原発が停止して,とうとう日本の原子力発電所の稼働がすべて止まるようです.

個人的には原発推進派というか,原発無いと日本無理じゃね?派なので,生活レベル落とせない以上,むしろもっと金突っ込んで安全を買うしか無いと思ってます.しかも,原発そのもののリスクはわかりきっていたけど,思った以上に世の中が原発アレルギーで,そっちのコストが馬鹿にならない以上,20年以上の周期でじわじわと規模縮小して代替技術に期待するしかないんじゃないかと考えるようになりました.

でも,世間は即刻止めろと言います.さすがにそれは無茶だろ,むしろ危ないぞ,というのが今日のお話です.

2010年度の時点で,原子力エネルギーの割合はほぼ30%.特に西日本は軒並み40%を越え,全国的にはさらに増やすつもりだったようです.

現状,他の発電方法で回せていて「ほらみろ,供給能力あるじゃないか」と言われてますけど,これって,「社員の30%が出勤停止命じられたけど,他の社員とバイトだけで回せてるじゃないか」というブラック企業と同じ状況では無いかと・・・・・・.おそらく今年は去年ほどの節電ムードは望めないでしょうし,余力無しの全力全開で乗り切ってもらうことになるんでしょうね.

大規模プラントなんて数年でほいほい増やせるわけも無いわけで,中長期的に原発に頼ろうという体制だったのに突然全部止めるとか,どこかに歪みが発生するに決まっています.

一方,どう考えても出費増える状況に追い込まれてる電力会社に向かって,「でも,値上げは許さん」と世間は言います.ひどい形でしわ寄せが出るフラグ立ちまくってますね.

こんな話を書こうと思ったのは,『高速バス事故の「事故の責任」は、あなたにも私にもあるかもしれない。ブラック企業を生み出す「ブラック消費者」という問題』ってコラムを読んだからでした.表現はともかく,リスクを背負わずにサービスばかり求める市場はどっかで破綻するってのは当たり前のことだと思います.

そうなると,『原発の事故リスク』,『安定した電力を享受できないリスク』,『お金を払うリスク』,『無理してでも他の電力供給手段に頼るリスク』などいろいろありますが,どれかを背負うべきでしょう.

個人的には,『税金なり電気代なりでお金にて原発の事故リスクを下げつつ原発回して,長期的に他の電力供給手段へ移行する』が現実的だと思います.少なくとも下らん感じの銀行への公的資金注入よりはまともなお金の使い方だと思うのですが,皆さんはいかがでしょうか?