Kindleで本を出した時のおはなし【画像と権利編】

  1. Kindleでの個人出版で出会った罠一覧
  2. Kindleで本を出した時のおはなし【執筆編】
  3. Kindleで本を出した時のおはなし【修正編】
  4. Kindleで本を出した時のおはなし【画像と権利編】
  5. Kindleで本を出した時のおはなし【表紙編】
  6. Kindleで本を出した時のお話【販売編】

今回は自炊解説書だったわけですが、表紙同様にKindleならではの制限が大きく、画像の扱いが大変でした!!!

画像挿入の制限が大きい

根本的な問題として、狭い画面と画像の相性が悪すぎます。描画面積が狭いのに動的レイアウトされると,高確率で次のページに画像が回って変な空白が出るのですよ。
その一方で、画像を小さくするとiPadなどのタブレットで見栄えがしないというジレンマが……。せいぜいアス比を横長にするぐらいしか手が無く、最後は『なるべく画像は使わない』という妥協に落ち着きました。

さらに、文中へ画像を入れて画像が次ページに回ると文章が大きく断裂するため、各節の最後で画像を1枚だけ差し込むという形で落ち着かざるを得ません。大変厳しい。

また写真撮影も大変です。ある程度のクオリティで物撮りしないといけないわけですが、これに関してはiPadと三脚でどうにかする方法を編み出しているため、無問題。
ただしKindleの場合、液晶でのカラーと、電子ペーパーでのモノクロの両方で見栄えがする写真を撮らなきゃいけなかったりのわけです。電子ペーパーに合わせて、白背景で画面全体を露出オーバー気味にし、被写体と背景に大きなコントラストを付けてメリハリを出してやると良いです。横500px程度の画像のためにRAW現像やる羽目になるとは……。

 

権利関係が問題ない素材の準備も大変

今回は自炊本だったので、本を解体している様子を素材として準備しないとならないわけです。
しかし、本の内容が写りこむ時点で何かしらの権利侵害が発生しかねませんし、たとえ法律的にはOKでも自分の本が解体されている様子を収めた本が売られるのは、波風が立たないとも限りません。

いやー、個人レベルで、権利関係がクリアで、かつ作者が解体も許容してくれる本を個人で用意しなければならないのキツいですわ。

  1. 著作権が切れた小説→出版社側が作った装丁などの権利関係がわからない
  2. ある程度厚みがあって作者に連絡が付くオリジナルジャンルの同人誌→そんなの思いつかないよ
  3. 市販の厚みがある手帳→文字の可読性サンプルも欲しかったので一般書籍が望ましい
  4. 公的な分厚い報告書など→逆にそれの権利関係がOKなのかさっぱりわからん

などなど、いろいろ悩んでは断念。では、市販の自炊本はどうしてるんだ?と思って何冊か立ち読みしてみると、各本とも自社の書籍が使えている。ぐぬぬ……。

最終的には、単独で本を出している友人の@mu_mu_に許可もらって事なきを得ましたが、そういうツテが無かったらまだ解決していないと思います。こういう時に、プロの編集者がいないつらさが露呈します。

結論

先に画像や権利の問題を意識してから本を書きましょう.
マネタイズが安定する市場規模になれば,この辺を解決できる電子書籍専門の編集さん需要は大きくなると思うんだけどなぁ.

 

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電子書籍の自炊本書きました。是非読んでくださいな。100円です。