デッドライジングおもしろくなってきた!

当初は体力や攻撃力不足により道に溢れかえっているゾンビ達にちょっと行く手を阻まれるだけでイライラが募っていたが、3周目にしてレベル46(MAXは50)になり、隠し武器やら追加技なども加算され、サクサク進むようになってからはかなりおもしろく感じてきた。これは三國無双に近いな。初期でやると副将程度にちまちま削られてムキーッ!となるが、一定段階越えると一気にのめり込めるようになるところが似てる。

そうなってくると、本筋とは関係ないところに目を向ける余裕も出てきて、"メインイベントの時間制限を守りつつ、出来るだけ人助けをしたり、サイコさん達と戯れる"という、頭と決断力が必要な違うゲームに変化してきているのがまたおもしろい。実績なんかも絡んできたり、周回プレイ前提で今回は何が出来るだろうか?と考えたり、噛めば噛むほど味が出るゲームだわ、これ。積んだ段階では"なんかめんどいからまた今度"と放置してたけど、そのめんどさがいいね。3周目とはいえ、やっとまともにゾンビ発生の謎が解き明かされてきただけの段階であり、さらに生き残る制限時間があと2段階伸びるらしい。もちろん、やれることも増える。にやにやにやにや。

実際のところ、これがあるからアサシンクリードやら、ロストオデッセイを買わずに済んでたりするんだよね。さすがに、ゾンビ映画好きで"ショッピングモール内をゾンビから逃げ回る"というシチュエーションにハァハァ(*´д`*)している自分のような人間は少ないだろうが、それ以外の人も進めていくにつれてガッツリとハマれるゲームなので、かなりオススメ。

続きとして、ゾンビ映画の魅力でも語っておこう。

オイラも普通の日本人として育ってきたので、ゾンビ映画なんて低俗でグロいだけの物だと思って生きてきた。だが、数年前に友人に付き合って観た"ランド・オブ・ザ・デッド"により価値観が変わったのだ。この作品はゾンビ映画界の巨匠である"ジョージ・A・ロメロ監督"なのだが、この人の作品はゾンビ映画に社会風刺を混ぜ込み、"ゾンビよりも恐ろしいのは人間そのもの"という信念を映画に持ち込んでいる。"ランド~"の場合はブッシュ政権におけるテロや差別への対応を揶揄しており、そんな内容を全く知らなかった自分はゾンビ映画に対する印象が180度変わったのである。

それからは、GEOのレンタル履歴が異常にホラーに偏ってたりする。そうすると、いろんなゾンビ作品を見るうちにアメリカ人のゾンビに対するスタンスが理解出来てきたので、デッドライジング制作陣によるゾンビの手がちぎれたり、首が飛んだりという表現は、僕は笑ってほしかったんです。とか言うのも理解出来るようになってたりするわけなのだ。

このデッドライジングという作品は、ジョージ・A・ロメロ監督の処女作であり、ゾンビ映画界の金字塔でもある"ゾンビ"という映画への傾倒がものすごく現れている。舞台を"ゾンビ"と同じショッピングモールにしている所から始まり、ゾンビに囲まれつつも自分の欲望を満たそうとする人間を描いたり、ゾンビそのものが人間の愚かしさから生まれていたりと、まさにゾンビ映画はかくあるべき、という作品がそのままゲーム化したようなものなのだ。権利の都合上、パッケージの正面にはジョージ・A・ロメロ監督その他に開発・承認・ライセンスされた物じゃない旨が書かれているが、ここに書くべき言葉はただ一つ、"ジョージ・A・ロメロ監督に捧ぐ"だと思う。

長くなったが、言いたいことはただ一つ。デッドライジングする人はプレイ前に、しない人も休日のお伴に、"ゾンビ"のリメイクである"ドーン・オブ・ザ・デッド"を観て欲しい。ゾンビが走ったり、原作を大きく改変しているのでこの作品単体をどう評価されるかはわからないが、ゾンビ映画を観たこと無い人への入門編としては最適であるとおもうので、是非。