書評:パチンコがアニメだらけになった理由(わけ)

パチンコがアニメだらけになった理由(わけ)
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パチンコがアニメだらけになった理由(わけ)
安藤 健二
洋泉社
¥ 1,680 (定価)
¥ 1,680 (Amazon価格)
なし (Amazonポイント)
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単行本(ソフトカバー)
在庫あり。
(価格・在庫状況は4月7日 11:54現在)

この本を手にとった理由は,フィード消化時にタイトルが記憶の端に引っかかってたので興味本位で読んだだけなのですが,作者のインタビュー記事に対する2chのまとめをさっき読んで,”こいつら見事に何もわかってなくて,的はずれな事言ってるなぁ”という部分で既読者の優越感感じたので,同じ程度の理解であろうみなさんに本書の概要を紹介することにしました.

この本,まさにタイトル通りに"パチンコがアニメだらけになった理由"を追っているだけなんですが,その過程が極めて秀逸かつドラマティックで,20兆円産業なパチンコ業界と,資本構造が崩壊したアニメ業界の闇が見えてくるのです.

本書はまず,エヴァ台の話から入って,作品とは関係ないとある部分で人気の台になったせいで,他社もアニメ台に追随していく事になった流れを顕にします.既にここの時点で"エヴァのファンの取り込みに成功した"というわかりやすい推測からはズレていきます.

そして,"エヴァはともかく,マイナーアニメの台が続々出るのは何故なのか"に踏み込んでいくのですが,当時無名だったアクエリオンの台が出た本当の理由が判明するくだりでは,目からウロコが落ちる思いでした.

さらに,パチンコ業界とアニメ業界の体質に移っていき,パチンコメーカーが打つCMの本当の狙いが明らかになってくる辺りで,ものすごく"なるほど!"と納得でき,日頃目にしているもの,なんとなく予想しているものなんてアテにならないなと思い知らされます.新劇場版ヱヴァだって,マクロスFだって,パチンコ無いと生まれてないというんだからパチマネー怖い.

これ以上は実際に読んでもらうしかありませんが,皆さんも持っているであろう,なんとなーくパチマネーにアニメ業界が救われ,侵食されていってる感じの本質が顕になって腑に落ちる瞬間は,アニメとか関係なしの知的エンターテイメントです.自分も何軒か本屋ハシゴした上,1680円という値段に躊躇はしましたが,その価値はあったと思うので,みなさんにもぜひ読んでみてくださいませ.