将棋界の世代交代と最新戦法から見る羽生永世七冠の凄み

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羽生さんが永世七冠となったことは、今更でしょう。
その中でこの記事読んで「あ、寝かせていたネタを仕上げなきゃ!」という、誰にも頼まれていない義務感が降ってきました。
筆が乗りまくった結果、万人向け解説は放棄してますので、適宜読み飛ばしてください。

 

20年かかった世代交代

羽生世代とその直下はもう40代後半。年齢的にキツいと言われながらも、第一線を死守しています。 とはいえ、故・米長邦雄永世棋聖が50歳という史上最高齢で名人位を奪取した時にもてはやされた事を考えると、流石に年齢的な厳しさも避けられないでしょう。

 

 

https://witter.com/BigHopeClasic/status/910698520083959808

そして今年9月、とうとう節目の日を迎えました。

20代で名人位を奪取した佐藤天彦名人、そして先日初タイトルを奪取した菅井王位と20代の活躍が目覚ましい昨今。瞬間的とはいえ、レーティング――統計的な実力ランキングでトップ6人が20代で占められたのです。

 

囲碁やチェスなどは20代ですら若いといえない世界ですが、将棋界においては十数年に渡りなされなかった世代交代の波が急激に押し寄せているように見えます。

 

何故、世代交代が起こったのか?

単純な能力の衰えで片付けるには突然過ぎますし、それなら20代だけが伸びている理由としても弱いでしょう。ここで、将棋の携帯中継が始まって以来、全局観てきた自分の肌感覚から、一つの仮説を立てました。

 

"ここ1~2年で定跡の根底の所がひっくり返されて、特にトッププロの多くが得意とする居飛車の定跡形で、ベテラン勢の経験が活きない状況になっているのではないか?"

 

ということで、百聞は一見にしかず。居飛車定跡形の代表的な4戦型(+α)の採用比率推移についてグラフでまとめてみました。元データは将棋棋士成績DBを使わせていただきました。DBの中の人による戦型判断であり、全対局の3~4割は「戦型不明」なのでその辺を差し引く必要はありますが、データとしては十分でしょう。

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 いやー、これ一枚で将棋ファンはニヤケが止まらないっしょ。特に去年から今年にかけての傾向が如実に現れていて、ぞわっとしました。リミッター外せばこれについて原稿用紙100枚分語れる自信あるよ、俺!!!!(※最終的に本記事は原稿用紙20枚分です)

 

とくに2015年から2017年にかけての急激な変化が如実に現れたグラフだと思います。では、戦型ごとに紐解いていきましょう。

 

相掛かり

一番平和なので、サラッと。

数年前活発だった2手目に△8四歩突く or 突かない議論の影響も見られず、10年間ほぼ横ばいでしたが、よく見るとここ2年で採用率が1.5倍に増えています。 △3四歩からの定跡形がことごとく潰されているため、それ以外の変化が求められているのでしょう。

この局面で飛車先交換保留が増えてきた辺りについて書きたいけど、それだけで1000文字増えるので矢倉部分に任せて自重。

 

横歩取り

ピーク時の3分の2まで減少しています。激変のあおりを最も喰らっている戦法と言えるかもしれません。
2010年代に入ってからは、特にトッププロ同士だと右を見ても左を見ても横歩取りという印象すらありました。実際、2015年までは居飛車定跡系の3割程度で安定してますし、序盤の変化の余地が少ない分、課題局面の発生率は非常に高かったと思います。

しかしながら、横歩取りというのは「先手と後手の同意」により初めて成立する戦法であるため、例えば女流棋戦やコンピュータ将棋などでは出現比率が激減します。(よね?)
そこで後述するように、矢倉や角換わりの流行に研究リソースを取られた結果、自然と減っていってるはずです。

一昔前なら上のような勇気流(▲6八玉)とか、斉藤流(△5五角)のような、良い子は真似できない即死トラップ戦法が掘り下げられまくってるはずですが、あまり結論が出ている印象を受けないんですよね。

 

あと気のせいじゃないと思いますが、一時期より△8五飛戦法を見掛ける機会が増えた気がします。母数が小さいのでわからないものの、危険な最新の変化に飛び込むリスクを考えると、△8五飛戦法を選ぶのも合理的と思えます。 時間ができたらこの辺も検証したいところですね。

 

 

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一手損角換わり

角換わりでも触れるので、一手損の方を先に簡単な紹介。
全体のわずか2.4%。絶滅一歩手前まで来てますね。

後述しますが、角換わりの後手番で先攻できる指し方が増えてきたため、わざわざ別の将棋を組み立てる人が減っているんでしょう。 指し方としてマズいわけではないけれど、もはや一部のスペシャリストのみが選んでいるんじゃないかと。

丸山九段のように4手目△8八角成で強制的に自分の土俵へ持っていくのは、棋理の優劣はともかく、勝ちに行く指し方として有効だと思うんですけどね。

 

角換わり

雑な解釈ではありますが、角換わりは

  1. 同じ or 似た陣形に組む
  2. 先手が先攻する
  3. 後手は受け一辺倒になる

という王道の負けパターンを後手がいかに回避するかの歴史と言ってもあながちまちがってはないでしょう。

では、角換わり腰掛銀を軸に、近年の歴史を紐解いていきます。

 

まず、前項の一手損角換わりが一世を風靡したのが2004年頃。 2008年にはデータ上初めて後手の全体勝率が5割を越えたのは有名なところで、それが上述の戦法採用率にも表れています。

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 一方、通常の角換わりは冬の時代で、特に2011年の富岡流で先後同型の角換わり腰掛け銀に危険信号が灯りました。 A級順位戦で富岡流の結論が出た定跡に乗ってしまい、そのまま郷田九段が敗れたのは今なお語られる事件です。

 

そんな角換わりですが、採用比率が4分の1まで増えた2015年が契機だったように思います。 具体的には、後手側から先攻する手段が次々と確立されました。それにより、前述した負けルートに対する先後の立場が逆転したとも言えます。端から端まで語っていたらキリがありませんが、千田六段の2つの偉業にだけ焦点を当てましょう。

 

角換わりが研究合戦というのは変わっていないので、ある意味従来通りではあるんですが、半世紀に渡り結論が出なかった角換わり腰掛け銀同型に対し、そもそも同型になる前に後手が有利になる変化が見つかったのが2016年の夏でした。

上に示す広瀬-千田戦のこの仕掛けが成立しているようで、従来の角換わり同型に組もうとするだけで先手が不利とされるようになりました。伝統の同型はもうプロ棋戦では現れない可能性すらあります。

 

では、この局面を紐解いていきましょう。
まず思想の流れとして、端歩や桂跳ねを省略して後手から先攻という流れが出来てきました。2015年ぐらいからだと思います。そこから後手の先攻策がいろいろと開発されるなかで、千田六段が△6二金・△8一飛型を連採し始めます。

従来の角換わりは、上記の先手のように金を5筋に上がって玉に近づけ、場合によってはさらに玉を固めて使われていました。それを1筋離し、飛車を下段まで引く事で角の打ち込みの隙を消したわけです。当然角換わりですからともに角行を手持ちにしているわけですが、その運用に大きな変革をもたらしたわけです。

さらに特筆すべきは、△3一玉にすら上がらずに△4二玉のまま開戦している点で。木村定跡を筆頭に数十年かけて△2二玉まで上がらずに△3一玉で定跡が固まったというのに、さらに一手省略して先攻を優先しているんですね。

あくまでこれは角換わりの一幕ですが、ここ2年でお互いの速攻策が加速しすぎていて、角換わりが別世界に変貌しています。  

 

 

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あと、最後に「コンピュータ将棋研究Blog」さんばっか貼ってるのの一環で、おもしろい傾向なども。もはや人類では理解すら出来ない強さに辿り着いているコンピュータ将棋ですが、アルゴリズム的な癖なのかもしれないものの、雁木模様を好む一方で、角換わりは避ける結果、さっさと角交換を拒否するようなのです。

私自身の解釈的には、elmoって最終的な勝ち負けを補正項として絞っているため、一直線で序中盤に負けルートへ入りやすい角換わり自身への評価が低いんじゃないかと勝手に考えてます。 ソースも読んでないプログラムの気持ちなんてわかんないですけどね。

 

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完全に蛇足で「ソースも読んでいない」で思い出したので貼っておきますが、最新ponanzaの中の人が教えてくれたので、でぃーぷらーにんぐ部分を一応読んでみました。いやー、パラメータの選択は職人芸だし、あくまでデータ生成部分だしで、全く理解できませんでしたね。まあ、構成的な所がわかるだけでもだいぶ楽しいんですけど。

 

では、最後に羽生永世七冠誕生の対局に触れておきます。

後手が自然に腰掛け銀に構えて、さあジリジリと距離を詰めましょうって局面ですが、ここでいきなり▲4五銀とぶつけていきました。上に貼ったリンク先の▲4五桂跳ねもそうですが、攻めを繋ぐ技術が進んだ結果、無謀とも思えるいきなりの仕掛けでも手になるようになっています。
こんな序盤で▲4五銀が成立するとすると、かなり後手の駒組みに制約を入れられそうですね。

そして何より凄いのは、自身の記録が懸かった大一番で「やってみないとわからないので」とこの手を指せる羽生さんの強さでしょう。渡辺竜王は△6二金・△8一飛型で4筋、9筋を省略しての最新形で攻めてきているわけですが、実はこの2人は先週全く同じ局面で戦っているんですね。後手は後手で自信を持って選んでいるはずです。 それに対し、定説に挑戦する一手で応えられるからこそ、今なお第一線で戦えているんでしょう。

 

 

矢倉

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さて、ようやく本編です。……ここまでが序章???

新人王を連覇した増田四段による"矢倉は終わりました"に代表されるように、矢倉の在り方が完全に変化したのがここ2年です。

居飛車穴熊を中心とした「固い・攻めてる・切れない」という現代将棋的発想の中で「固い」という部分を削って攻めに繋げる風潮が加速化してきています。現代将棋の申し子と言われた渡辺棋王に代表されるように「定跡形でしっかり囲って、それから攻めを繋ぐ」ケースが矢倉でも基本でしたが、ここ半年で矢倉囲いに組みあがる対局が半減どころか本当に稀な領域まで来ました。

 

飛車先不突き全盛時代に名人戦でいきなり▲2五歩を決めた森内九段に何が見えていたのかとか、藤井矢倉や脇システムの再評価なんかまで書き始めたら永久にまとまらないので、重要な3項目に絞って整理していきましょう。 

 

矢倉①:△3七銀戦法の終焉

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2012年――もう5年も前ですか。

当時……というより平成に入ってからは矢倉3七銀戦法が優秀過ぎて、矢倉といったら3七銀戦法の末端まで細かく精査する作業に陥っていました。

その行く末が、なんと91手まで定跡をなぞる領域です。さすがに、「あー、この将棋で矢倉91手組の結論でるな」と夕食休憩前に急いで記事書いた上記のA級順位戦を最後に、「先手勝ち」で落ち着きました。 とはいえ、そうなるとそのルートに突入する前で変化しなければとなり、あくまで▲3七銀に組んだ状態から虱潰しが行われていました。正直、すごいけど観ていてもつまらない!

 

そんな折、とうとう大きな契機が。

▲3七銀→▲4六銀→▲3七桂と好形が通る前提で20年間続いていた矢倉の定跡が、2013年に塚田九段により発見された△4五歩という押し返す手の成立により、全て放棄されたのです。 

この△4五歩反発の成立が世代交代に繋がっているといっても過言ではありません。

 

www.nicovideo.jp(〜13:00くらいからわかりやすい解説)

 

 

矢倉②:居角左美濃

さらなる潮流が、そもそも矢倉という戦法そのものへの反発です。大げさに言うなら、ここ2年程で居飛車の考え方を根底から覆したのが、居角左美濃と雁木です。

 

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まずは居角左美濃から。将棋ファンの度肝を抜いた2015年11月の対局に端を発しますが、「飛車先を切ったのが敗因」ってのがすでに従来の常識からは外れています。 飛車先交換三つの得ありって駒の動かし方の次くらいに習ったのに、交換という行為自身が手の遅れを引き起こしているほどの速攻策が成立してしまったのです。

 

上の対局の半年前、Ponanzaの作者 山本氏はこう言ってます。

 

 

この辺りに関しては様々な意見があるでしょうが、ここ2年で先手が悠長に矢倉を組んでいると、後手からの早仕掛けで攻め潰されるのが当たり前の時代がきてしまいました。とにかく急戦ーー速攻策が優先されており、矢倉をきちんと組み上がる事は稀……というか全く見かけなくなりました。

  

yaminomabot.hatenadiary.jp

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それ以降、先手側からも居角左美濃を押し返す手段は出てきてはいるのですが、そもそも居角左美濃を避けようと、矢倉の開幕が攻めの争点を与える▲6六歩ではなく、▲7七銀に変化しました。
20年前に先見の明がありすぎる大天才が、矢倉の序盤を究極的に突き詰めると▲6六歩か、▲7七銀かみたいな検証をしてからの▲6六歩に集約された定跡に揺り戻しがきているのです。

変わりゆく現代将棋 上

変わりゆく現代将棋 上

 

 

矢倉②:雁木

出来の悪い矢倉の兄とかハチワンダイバーで言われてた気がする雁木囲い。(探したけど出てこなかった) 二こ神さんが古くて泥臭いキャラとして雁木を愛用していた時点で、ほんの1年前までの雁木のイメージは推してはかるべしです。

プロでも、一部の力戦系を好む棋士以外でこれを指しているのは見たことなかったのですが、ものの半年でA級順位戦で相雁木まで出てくる時代になろうとは……

最初に出した戦型推移のグラフで雁木は矢倉とカウントされているようですが、もはや矢倉の早仕掛けなのか、雁木なのか、分類する方が野暮な状態になっています。正直、雁木戦法については全く理解できていないので、表面的な話になってしまうのでご了承願います。ここ半年でいきなり世界の根底から覆されても、アマチュアは飲み込めませんって!!!

 

オーソドックスに組むとこんな感じですかね。特徴としては、左銀が▲6七銀となっているところです。駒の連結としては矢倉に分がありそうですが、▲7七桂から左桂が活用しやすく、逆に後手の△8五桂に銀が当たらない。そして角交換しても打ち込みのスキも小さいため、攻めっ気を出しやすいって所でしょうか。 その観点でいくと、何よりも組むのが早いため、昨今の矢倉速攻傾向とも完全に噛み合ったのでしょう。

元々はponanzaを中心にコンピュータ将棋が得意としていたとされますが、それもわかる気がします。自分が真似しようとすると、歩が前面で向かい合いすぎてるのに発展性がなくて手が出にくいままズルズルと固められそうな気しかしません。これの右銀は使い道ないでしょ……
その点、攻めを繋ぐのがうまいponanzaなどは、一気に攻め潰してしまいそうな気がします。

実際のところ、雁木が多く採用されているのは単なる流行だと思うので、来年の順位戦では落ち着くと思うんですけどね。
△5三銀右急戦みたいなのが主流にならなかった理由を邪推すると、指せたとしても序盤から瞬発力を要求されるため、指すのが大変ってのはあると思うんですよね。 じっくりとした定跡形は、定跡抜けるまでは大きな差が付かないので、時間や体力残したまま中盤迎えられますし。
プログラマ35歳定年説の是非はともかく、最新の動向にキャッチアップし続けるつらさというのは避けられませんし、そういう意味でも40代後半で喰らいついていくのはそれだけで大変なことはわかります。

羽生さんも当たり前に、竜王戦第2局で雁木を選んでますが、その中にも現代将棋のエッセンスが入っている様子を片上六段がブログで解説されているので、是非ご一読ください。

 

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おわりに

読み返すと、プロ棋戦の話題なのに、@suimonとデレマスの記事ばっか貼ってますね(笑)
ホント、インターネット上の研究・解説には本当に助けられてます。

 

さて、私が真剣にプロ棋戦を見始めたのは2010年頃ですが、当時はちょうど梅田望夫氏が「ドッグ・イヤー」ーー犬にとっての1年が人間にとっての7年に相当するように技術の進歩が急激に進む現象を、将棋界に当てはめて語っていた頃です。

あれから7年。その理屈でいくと半世紀が経ったわけですが、その中でもここ2年は7倍では効かないくらいの急激な変革が訪れている事は理解してもらえたと思います。

だからこそ、そんな時代に永世七冠を達成した羽生さんの恐ろしさをまざまざと見せつけられた思いです。昨日の序盤、私でもわかる斬新さでしたしね!

はー、趣味として将棋観戦を選んだ結果、ここまで満たされるとは夢にも思いませんでしたね。自分の余生がどれだけ残っているかはわかりませんが、次の永世七冠を拝む事は無理だろうなぁ。

 

羽生善治と現代 - だれにも見えない未来をつくる (中公文庫)

羽生善治と現代 - だれにも見えない未来をつくる (中公文庫)

 

 

2017年も安定して使い続けているもの7選@hageatama

2017年も安定して使い続けているもの10選 - QuzeeBlog@Hatena

いい観点。俺もこれで書こうかな。

2017/12/03 19:11

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例の記事の最初のブクマとしてこう書いちゃったので、急いで書きました。
いやー、自分で言うのもなんですが、いろいろとアレなものを買っているのに、常用しているガジェットがKindle Paperwhiteだの、GRだの、ANKER製品だので、捻りがなさすぎて絶望しましたね。

しょうがないので、部屋を眺めて目に付いたのを素直に並べました。絞り込み損ねて逆に10選にはならなかったけど気にしないでください。

 

YSP-2500

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20代にイヤホン・ヘッドホンへだいぶ投資した結果、「耳が馬鹿な上、高音質の音楽を聴かない」という悲しい実態に気付いた私。 どっちかというと、気軽に音が鳴らせるとか、サラウンドがしっかりしてるとかの方が求めていた機能でした。

サウンドバーなYSP-2500ですが、HDMIセレクタとして便利なんですね。AVアンプのような場所を取る事もなく、ややこしいセッティングも必要なく、「とりあえずこれにHDMIで入力しておけばOK」という運用をコンパクトに実現できており、非常に快適です。

 

 


日立の扇風機

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扇風機みたいなコモディティ化しきっている白物家電はどれも変わらないだろと思ってましたが、ふとした勢いで3年前にちょっと良いの(といっても6000円くらい)を買ってみたら、結構違いがあってビックリしました。 今までの安物はギシギシいってたし、風は固いし、モーターでかいしで、軽自動車と2.0Lカーくらいの違いはありました。やるな、日立。
なお、炊飯器については実家が高いの買ってたので使ってみたけど差がわかりませんでした。 どちらかというと定温調理のために今は亡きSANYOのマルチ調理機能付きの方が欲しいです。

 

日立 扇風機 風量4段階 リモコン付き HEF-120R

日立 扇風機 風量4段階 リモコン付き HEF-120R

 

 


ポールハンガー

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誕生日にポチってもらった奴ですが、2000円程度でQoLがだいぶ上昇しました。
当初は収納としてもオブジェとしても、必要性には懐疑的だったんですが、気付いたら手放せなくなっています。
コートやジャケットを掛けるだけならクローゼットで十分なんですが、カバンと帽子の定位置としての働きが超優秀ですね。 部屋の中で散逸する事が減り、出掛ける時にもバタバタするのが無くなるため、大変助かります。

 

不二貿易 アンティークコートハンガー 3段 高さ183cm 天然木 ブラウン 27872

不二貿易 アンティークコートハンガー 3段 高さ183cm 天然木 ブラウン 27872

 

 


竹シーツ

全然市民権を得てませんが、何故か実家ではずっと使っているため、これ無しでは夏を越せない身体になっています。写真貼らないと伝わり辛そうですが、さすがに仕舞っているので勘弁願います。

い草のシーツなどと違い1つ1つのピースが大きく、物理的にマットレスから切り離されるためか、クーラー効かせると寒くなり過ぎるくらいに涼しく過ごせます。
欠点は、繋いでいるチューブが2年ほどで劣化して腰などの沈むところから千切れていくため、消耗品として割り切るしかないところでしょうか。 割と重い上に、置いていない or サイズ選べないホームセンターもありますが、Amazonは全体的に高いです。

 

大島屋 シーツ 竹 ひんやりシーツ S ナチュラル 約90×180cm
 

 


ポメラ DM5

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言わずと知れたポメラさん。
DM100も持っているのですが、意外にも稼働率は最廉価版のDM5のが高いという現実。 というのも、何とかポケットに入るサイズなので業務上のちょっとしたテキスト生成や議事録取りに使いやすいからです。
特に後者は有効で、御客様相手とかでも、ノートPC広げるよりも「議事録取ってます」感が強く、話のネタになる事もしばしば。 業務で自分の電子機器使える人限定ですが、刺さる人には本当に便利な文房具なんですよ。
DM100については「テキストを書こう!」と意識する時に使うため、良くも悪くも稼働率が下がっていますが、こちらはこちらで使っています。

ただ、DM5はQRコードでのテキスト取り出しが出来なくてモタモタするので、DM25買おうか真剣にお悩み中です。

 

キングジム デジタルメモ ポメラ DM5  クールブラック

キングジム デジタルメモ ポメラ DM5 クールブラック

 

 


KOKUYOのL字デスク

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広い天板のデスクというのは、それだけで正義です。 解像度もサイズも上がって、仮想のデスクトップは広く快適になる一方なのに、実際のデスクが狭いままでいいわけが無いじゃないですか。
ぶっちゃけ、一般家庭に置くサイズとしては大きすぎますが、デメリットを補って余りあるメリットの前には些細な事です。

オフィス用のコクヨ製品なので天板も傷みづらいし、剛性しっかりしてるのしで、しかも中古オフィス用品として買ったので案外お安いというパーフェクトな逸品。

うちのブログでブツ撮りしてる時は、背景にもなるという便利グッズです。

 

Kindle Paperwhite 3G+事故保障プラン

Kindle Paperwhiteに3Gオプションと事故保障プランつけて、雑に扱いまくるのが一番楽な運用です。こんな私が言うんだから間違いありません。

Kindle Paperwhite 用 事故保証プラン (2年・落下・水濡れ等の保証付き)

Kindle Paperwhite 用 事故保証プラン (2年・落下・水濡れ等の保証付き)

 

 

おわりに

人柱で銭を失うのが生きがいみたいなところある私ですが、割とトゲのないないように落ち着いていて拍子抜けしましたね。ちなみに、他にはIKEAの木製ハンガー、マガジンラック、シリコンスチーマー、ドルツなども候補に挙がりました。んー、普通だ。

そこで理由を考えてみたんですが、3年前から自分の部屋をホームシアターにしているせいで、自然と物を減らす方向にシフトしているのが大きい気が。みんな、断捨離したいなら家にホームシアターを構築しましょう!

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電子マネーに移行しようと検討したけど頓挫したし!

キャッシュレス時代に置いていかれないように、電子マネー中心にすべくいろいろ調べてみました。結論からいくと、どれも一長一短でキャッシュレス生活は見送りました。

 

以下は個人的な制限事項。そんなに変な要求はしてないと思うんですけど……

  1. 半年前にようやく脱したので林檎帝国のエコシステムには戻りたくない。
  2. スマホはZenfone3+LINEモバイル。
  3. おサイフケータイ使えるSIMフリー端末は微妙なのばかり。
  4. 白ロムはよくわからん。良ければ変えてもよい。
  5. クレカはあんま増やしたくない。
  6. 煩わしい形でのポイント還元には興味ない。
  7. レジとかでいちいちチャージしたくない。
  8. 出来れば、メインのANAカードに回してマイル貯めたい。
  9. 可能であれば、リーダーにかざす部分は単一機能の何かが望ましい。

いつの間にかApple Payが最強決済手段になってて死ねますね。会社ケータイのiPhone7でApple Pay運用するか真剣に悩むレベルです。

 

Suica

JR乗らないわけにはいかない環境なので持ってますけど、チャージがいちいちダルいんですよね。

断じてビューカードなる胡乱な囲い込みに屈するわけにはいかないんですが、おサイフケータイ端末持ってないと、つらさしかない。

本体から自力チャージ出来るiPhoneでもつおいけど。

 

楽天Edy

楽天と名のつくものに関わりたくないが、wena wrist leatherという時計バンド式のFelicaが来月発売なので、いつでも自力チャージ手段さえ確立されれば最強っぽい。

スマホのNFCでクレカからチャージ出来るのでSIMフリー端末でも対応しやすいが、Zenfone3が非対応という……。 そのためにスマホ買い換えるのもなぁ。

 

WAONやnanacoなど

コンビニごとに使い分け意識しないと行けない時点で論外。

 

QUICPay

チャージの必要がない時点でだいぶ良いが、払う手段がおサイフケータイか対応クレカが主なのでつらい。Apple Payなら親和性だいぶ良さそうだけど……

個人的にはキーホルダーとかのトークン発行すると単機能でわかりやすい運用になって最高に思えますが、自分の場合はアメックスのQUICPayを使いたいんでJCB側の恩恵受けられなくて詰み。

給油しまくってるのでスピードパスプラスを作るのはやぶさかではないんですが、どうしよ。

 

iD

どう取り繕ってもdocomoのサービスだな、と。使える環境だと便利っぽいけど、調べても調べても始められるイメージがわかない。

 

 

結局、検討は頓挫

どっか検討抜けがあるんだろうか。いつでも残高不足や決済出来るかを考える必要なくサラダチキンを買えればそれだけでいいのに、なんでその程度が難しいんでしょうか。

結局のところ日本銀行とかいうとこの券が便利すぎるんですが、誰か電子マネー推進派の有益な提案とか教えてほしい(´・ω・`)

腕時計バンド専用ブランドの替えバンドがスマートウォッチに最適だった!

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先日届いたAmazfit BipはPebbleのつもりで買いましたが、実物見ると林檎時計に引っ張られたデザインだったんですよね。 これなら磨けば光ると思い、もう少し凝ったバンドと替えることに。

 

とは言っても、腕時計バンドについての知識なんてないし、Amazonで引っかかるのは怪しげな中華品ばかり。そんな中、進研ゼミ現象到来。

あ、このブランド、ネイチャージモンで見た事あるぞ!!!

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松坂牛編などに出てきた、松坂牛の革ベルトを開発した会社じゃないですか。
ここでネイチャージモンについて紹介し出すと収集つかなくなるので割愛しますが、ダチョウ倶楽部の寺門ジモン氏が、食を中心に、自身のこだわりを前面に押し出してくるルポマンガです。

ネイチャージモン(1) (ヤンマガKCスペシャル)

ネイチャージモン(1) (ヤンマガKCスペシャル)

 

 

バンド選び

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国内の時計バンド専用メーカーという事で、素材やバンドのサイズも豊富で、公式サイトにて目的のものを探しやすいのがいいですね。

直販サイトではないですが、型番でググればAmazonにも置いてあるの多いですし、

 

当初、コードバンでも5000円以下で買えるので思わずポチろうとしたけど、よく考えたらダメでした。Amazfit Bip側がIP68――最高クラスの防塵防滴仕様なのに、水濡れ厳禁にしてどうするよ。

そんなわけで、ラバー製で良さ気なのをポチっとな。

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うん、いいじゃない!(御満悦

ラバー品でありがちな質感の安っぽさはなく、じっくり見ても革に近い風合いを感じます。元が数千円のケースに対し、あんまりゴツいのも浮くし、金属バンドで傷つくのも嫌なので、大正解じゃないでしょうか。

 

注意点

  • ステッチがあるので風呂入る時は外した方が良さそうです。大丈夫とは思いますが。
  • ばね棒や工具付いてない場合があるのでご注意を。
  • 腕細くて小さい穴でギリギリだったので、人によっては穴空けないと余るかも?
  • 仕様通りの20mm幅を買ったら精度が高すぎて、ばね棒を外す隙間を確保できない疑惑が。

 

おわりに

スマートウォッチではバンドの幅が変則的な場合も多いですが、専用ブランドなだけあって素材もサイズも豊富です。 Apple Watchの特殊仕様なせいで不安でしたが、特に問題なくばね棒タイプの替えバンド付けられますし、ほんの3000円ほどでかなり雰囲気が変わりますね。
逆に、通常の腕時計に対しても、どんどんバンビの替えバンドを適用していこうと思います。

また、新しい沼を覚えてしまった…… 

 

 

Xiaomi Amazfit BipはPebbleの夢を見るか

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Xiaomiが出資して送り出している活動量計 Amazfitシリーズですが、ようやく手元に届きました。

これは競合他社が悲鳴上げる出来の良さですね。既にセールで50ドル切って売ってますが、他社の150ドルクラスと比較しても優位性ありますわ、こりゃ。
外枠こそ安っぽさもあるものの、ガラス自身は歪みの無いゴリラガラスで、パッと見はAppleWatch感が強いです。実際、早々に間違われました。

機能的にも、活動量計と言うよりはスマートウォッチで、通知やら、スマホのスマートロックやら、だいぶ便利に使えています。

 

  • タッチ操作も機敏
  • 公称45日バッテリー
  • きちんと毎秒画面更新
  • 腕上げたら自動で画面点灯
  • 万歩計精度もそこそこ
  • iPhoneと同等のIP68防塵防水
  • GPS搭載
  • 気圧計搭載
  • 脈拍計搭載
  • 自動睡眠検知
  • 通知ラグも数秒レベル
  • 通知の日本語も問題なし
  • 天気予報は日本の地域も自動判定

 


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何よりも、45日バッテリーは最高以外の何物でもありません。かなり電池食う設定にしましたが、それでも48時間でバッテリー残93%。軽く3週間は保ちそうですね。

やっぱ、反射型液晶でチープでも省エネ仕様な方が好きですわ。

 

ちょっとした不満

実用的には文句無しで、些細な不満点しかありません。後述の一点以外は……

  • 盤面編集をもっと気軽にしたい。(自作はリソースファイルの書き換えでしか出来ない)
  • 脈拍のみの能動的な測定が出来ない???(未確認)
  • 一旦リューズ押さないとタッチ操作を受け付けない


唯一にして最大の欠点:English versionとは???

www.hageatama.org

中国語版から遅れる事2ヶ月半。ようやくInternationalバージョンーーショップによってはEnglishバージョンとして売ってる奴が発売になりました。

しかしながら、待たせに待たせて、値段も若干高いくせに、何とハードウェア的には中国語版と同じものっぽいorz

中国語版も10月末くらいから英語設定のスマホからファームウェア更新したら、英語になるようになっています。 逆に言うと、英語版を英語設定じゃないスマホに繋いだら中国語表示になります。馬鹿なの? 死ぬの?

  • 改造ファーム使う
  • サードパーティ製アプリを使う(公式と同期すると中国語表示になる)
  • スマホ本体を英語表示にする

などで回避は出来ますが、日常的に使うものはそういう運用がダルいからわざわざ英語版買ったんですけど……

 

おもちゃとしての側面

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完成度は高いものの、Hack的に弄る手段もいろいろありますので、結構楽しく遊べてます。

惜しむらくは、Pebbleみたいにアプリ書いたりが出来ないのが寂しいですが、隠し機能もありそうですし、ファームウェアも活発に更新されているので、十分に元は取れそうかと。

ってか、なんで日本語が普通に通って残念がってるんでしょうかね、俺。

 

納得したうえで使うなら超オススメ!

活動量計を幾度となく乗り換えてきた私ですが、使ってみても明らかに頭一つ抜けてますね。Pebbleクローンとして考えるなら、同じ値段でもFitbit ionicよりAmazfit Bipを選ぶと思います。

英語版が中国語版と同じハードウェアなのも、そうわかっていれば値段がこなれて供給も安定してる中国語版買えばいいので、メリットとも言えるでしょう。

 

今のところ中華系通販でしか買えませんし、日本で使う仕様ではないので万人向けではありませんが、ガジェッターなら確実に損しない逸品だと思います。 送料込みでも4桁円ですしね。

 

あと、バンドは別に買ったので、それは次の記事で。